寺の太陽光パネルの銅線盗んだタイ人4人逮捕 各地で犯行、被害総額1億円超

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 東京・日の出町で寺の敷地にある太陽光パネルの銅線を盗んだとしてタイ人の男4人が逮捕されました。容疑者らは各地で犯行を繰り返し、被害総額は1億円以上に上るとみられています。

【画像】寺の銅線ケーブル約840メートル持ち去る 住職「10分ぐらいでさーっと」

■1都7県で盗みを繰り返し…被害総額は1億円以上

 真夜中の山道をゆっくりと歩く2人の男。1人はヘッドライトのようなものを身に着け、何かを探しながら歩いているように見えます。そして、2人の男は土地の入り口に設置されていたゲートを無理やり開けて破壊。そのおよそ7分後、中に黒い車が侵入します。それからわずか数分後、車が現場から出て走り去っていきました。

 これは銅線を盗む様子を捉えた防犯カメラの映像です。

 事件は今年5月、寺が管理する東京・日の出町の土地で起きました。

雲龍寺 足利正尊住職
「10分かからないくらいの時間でサーっと持っていっている」

 住職によりますと、犯行グループはものの数分で、寺の土地に設置された太陽光パネルの銅線ケーブル、およそ840メートル193万円相当を持ち去ったといいます。

足利住職
「(銅線は)全部きれいに切られて持っていかれている。プロの仕方というか、かなりきれいにスパスパと切られていた」

 この事件を巡り、警視庁は18日までにタイ人の男4人を窃盗の疑いで逮捕しました。

 警視庁によりますと、指示役のウェイチェークー・プリチャー容疑者(24)が、地図アプリで発電施設を探し実行役に指示していたということです。

足利住職
「腹の中で煮えくり返っている。怒りが収まらないですね」
「(Q.被害額は?)売電も止まってますから、3カ月から4カ月くらい。3500万円くらいの支出。雲龍寺の財産を削ってという感じなので、許せない気持ちでいっぱいです」

 調べに対し、ウェイチェークー容疑者ら3人は容疑を認め、1人は黙秘しています。

ウェイチェークー容疑者
「少なくとも90件くらい銅線窃盗をしている」

 警視庁は、このグループが関東を中心に1都7県で盗みを繰り返し、被害総額は1億円以上に上るとみて調べています。

 容疑者らは盗んだ銅線を金属買い取り店に売却し、得た金は生活費やタイへの送金に使っていたということです。

足利住職
「山の中なので、サッと入れるような所ではなかったので安心していたが、案の定やられてしまった。防犯の徹底と、そこに人を置く。経費がかかるが対策をしないと(被害は)なくならないと思う」■JR東京駅前、銅線150メートル窃盗も

 今年に入り史上最高値をつけるなど、近年、銅の価格が高騰。その影響か関東を中心に全国で銅線の窃盗事件が頻発しています。栃木県宇都宮市では、公園の地中に埋められていた銅線およそ620メートル、135万円相当を盗んだとして、カンボジア国籍の男5人が逮捕されました。

 群馬県内のスキー場では、警察の実況見分の前後2度にわたって大量の銅線ケーブルや配線などが盗まれています。

 被害は都内でも。JR東京駅前の高層ビルの再開発現場では銅線150メートルが盗まれる事件が発生。逮捕された實富拳土容疑者(34)ら2人は電気工事の仕事で現場に出入りしていて、休憩時間で人がいなくなった隙に銅線を盗んでいました。

實富容疑者
「金属買い取り業者に売った」

 警察庁は有識者会議を開き、盗品の流通防止や犯行に使用される道具に関する法規制のあり方などを検討しています。

(「グッド!モーニング」2024年10月19日放送分より)