電気代がもったいないので、キッチンの「換気扇」は使いたくないです。窓を開けていれば“換気”は問題ないでしょうか?

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みなさんは、キッチンの換気扇を使用しているでしょうか。昨今の物価高を受け、換気扇を回すのにかかる電気代を気にして、あまり使っていないという人もいるかもしれません。 そこで、今回はキッチンの換気扇にかかる電気代がどれくらいか、使用を制限することでどの程度の節約効果があるのかについて解説します。また、キッチンの換気扇を回さないことでどのようなリスクを招くかについても取り上げるため、ぜひ最後までご覧ください。

キッチンの換気扇にかかる電気代

まずはキッチンの換気扇の電気代を計算してみましょう。
キッチンの換気扇には、プロペラで排気を行うタイプのプロペラファン、ダクトから4方向に排気を行うタイプのシロッコファンの2種類が存在します。それぞれの換気扇を24時間、1ヶ月間回し続けた場合の電気代は、以下の通りです。


・プロペラファン(パナソニックFY-25PH6想定)
0.02(キロワットアワー)×31(円/キロワットアワー)×24(使用時間)=14.88円/日(446.4円/月)
・シロッコファン(パナソニックFY-60DWD5-S想定)
0.005~0.0285(キロワットアワー)×31(円/キロワットアワー)×24(使用時間)=3.72~21.204円/日(111.6~636.12円/月)

プロペラファンと異なり、シロッコファンは強さの設定を変更できるため、電気代に幅が生まれています。キッチンの換気扇を回さなければ、上記の金額が節約できることになります。
 

キッチンの換気扇を回さないリスク

換気扇にかかる1日、1ヶ月の電気代を高くみるか低くみるかは人によって異なるでしょうが、年間で見た際の金額で考えると少し高く感じる人が多くなるかもしれません。
しかし、キッチンを使用している最中に換気扇を回さないと、さまざまなリスクを高めることになります。換気扇を回さないことで生じるリスクは以下の通りです。
 

一酸化炭素中毒

キッチンでガスを使用している最中に換気扇を回さないと、一酸化炭素中毒になる可能性があります。一酸化炭素中毒とは、不完全燃焼によって発生した一酸化炭素が原因で引き起こされる中毒のことです。
一酸化炭素は毒性が強いうえに、無臭かつ無色のため、気がついたときには一酸化炭素中毒になっているケースも少なくありません。一酸化炭素中毒になると、頭痛や吐き気などの症状が現れ、最悪の場合は死にいたります。
 

臭いが取れなくなる

換気扇には、臭いを外へ逃がす役割もあります。換気扇を使用しない場合、肉や魚などを調理している際の煙がキッチンだけでなく屋内に充満してしまい、家具や衣類などに臭いが染み付きかねません。
一度染み付いた臭いは簡単に取れず、長期間不快な臭いが漂う環境で生活する羽目になりかねません。特に衣類をはじめとする布製品は、臭いを吸着しやすいため、非常に厄介です。
 

換気扇の電気代を節約するポイント

換気扇を回さない場合、健康面や生活環境に影響を及ぼしかねません。それでも電気代が気になって換気扇を回しづらい場合は、以下の方法を試してみましょう。
 

換気扇の掃除をする

換気扇の電気代を節約したい場合は、換気扇の掃除を徹底しましょう。換気扇が汚れていると、空気を吸い込む力が落ちてしまい、換気に余計な電力を消費しなければならず、電気代がかさんでしまいます。
換気扇の掃除を定期的に行えば、換気扇の性能が極端に落ちることがないため、電気代の節約につながります。
 

換気扇を回す際は部屋を密閉する

換気扇を回す際に部屋を密閉するのも、電気代の節約に有効です。換気する範囲が広い場合と狭い場合では、当然前者のほうが消費電力は大きくなります。
部屋を閉め切って、換気するエリアを限定すれば、消費電力を抑えることが可能です。このとき、窓が開いていると空気の逃げ道ができてしまい、換気の効率が悪くなるため、窓もしっかり閉め切りましょう。
 

安全のためにも換気扇を回すべき

キッチンの換気扇にかかる電気代と、換気扇を回さない場合のリスクについて取り上げました。窓を開けることでもある程度の換気は可能ですが、やはり安全面や臭い付着のリスクなどを考慮すると換気扇は回したほうがよいでしょう。
それでも電気代が気になる場合は、今回取り上げた方法を取り入れて電気代の節約を目指してください。
 

出典

厚生労働省 職場の安全サイト 労働災害事例
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー