子どもが2人いる夫婦です。「2025年から大学無償化」が始まりますが、「あと1人産もう」と思わないのは私だけでしょうか?

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2025年から開始する大学無償化の影響で、扶養する子どもが3人以上いるご家庭は学費の負担が軽くなる可能性があります。 現在子どもが2人いるご家庭にとって「大学の費用が無料になるから」というのは、子どもをもう1人産むことを決断する理由になるのか、疑問に思う方もいるでしょう。 この記事では、制度に対して保護者が感じていることについてご紹介していきます。また、大学の無償化の概要や条件も解説しているので、参考にしてください。

大学無償化について保護者はどう感じている?

2025年から開始する大学無償化とは、政府が行う政策で子どもの人数が多い世帯の教育費の負担を減らすことと少子化の改善を目的としているようです。
千株式会社が2023年に行った「授業料無償化に関する保護者の意識調査」によると、政府が行う子どもの人数が多い世帯の大学無償化に賛成している方は、「賛成」と「どちらかといえば賛成」を合わせると51.21%の割合となっています。
同世帯で金銭的な余裕が出ると答えた方は、「そう思う」と「ややそう思う」を合わせると53.79%で、半数以上の方が家計の余裕が出ると考えているようです。
しかし、この政策があることで、新たに子どもを検討するかという質問には、82.95%の方が考えていないと回答しています。
2025年から開始する大学無償化の政策は、大学受験を控えている子どもがいる世帯にはよい影響があるといえるでしょう。一方で、これから子どもを考える世帯は、大学受験までの期間があることやこの政策がいつまで続くのか不明瞭だという意見があるようです。
 

大学無償化の条件

2025年から開始する大学無償化を受けるための条件は、以下の通りです。

●子どもを3人以上扶養している家庭
●国が定めた対象の学校に進学

子どもが3人いても、就職などで扶養から外れて自立した場合は、支援の対象から外れる場合があるので注意してください。扶養している子どもが2人以下の場合は、現行の制度が適用されます。
上記の適用条件以外にも、世帯収入や資産条件、学業条件などの基準があります。自分が該当しているかは、文部科学省や自治体のホームページで確認してみてください。
 

大学無償化の支援金

大学無償化によって支援される額を、以下の表1にまとめました。
表1

国公立の場合 私立の場合 大学 82万円 96万円 短期大学 56万円 87万円 高等専門学校 31万円 83万円 専門学校 24万円 75万円

※文部科学省 「令和7年度からの多子世帯への授業料等無償化に係るFAQ」を基に筆者作成
表1の数値は、授業料と入学金を合算した額となっています。特に私立の場合は元々の学費が高い傾向にあるため、支援金のおかげでより家計の負担が軽減する可能性があるでしょう。
 

2025年から開始する大学無償化が始まっても、新たに子どもを検討しないと考えている方は82.95%

千株式会社が行った授業料無償化に関する保護者の意識調査によると、2025年から開始する大学無償化が始まっても、新たに子どもを検討しないと考えている方は82.95%いることが分かりました。
大学無償化の政策は、現在子どもがいてこれから大学などへの進学を希望している世帯では、影響があると考えられます。しかし、これから子どもを産もうと検討している方にとっては、あまり響いていない現状もあるようです。
そのため、大学の無償化が必ずしも少子化対策になるとは考えにくいでしょう。
 

出典

文部科学省 令和7年度からの多子世帯への授業料等無償化に係るFAQ
千株式会社 授業料無償化に関する保護者の意識調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー