ガザ、飢餓のリスク続く 「最悪のシナリオ」懸念=国連IPC分析

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[17日 ロイター] - 国連の「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」は17日、イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザでは地区全体が依然として飢餓の危機にさらされ、緊急レベルにあるとの分析結果を公表した。イスラエル軍の激しい軍事作戦が懸念を強め、人道支援活動が妨げられていることが要因にある。

ガザ地区約230万人の住民の184万人が深刻な食料不安に直面し、そのうち13万3000人が最も深刻な「壊滅的」レベルにあるとした。6月の報告からは減少したものの、今後数カ月の間に倍増するとみられている。5月以降、ガザ地区への食料の流入が増えたが、9月に人道支援が再び縮小し始めたと指摘した。

IPCは「ガザ地区全体で飢餓のリスクが続いている。最近の敵対行為の高まりを踏まえると、最悪のシナリオが現実となるのではないかという懸念が高まっている」と記した。

IPCによると、イスラエルがこのほど出したガザ地区からの退去命令で人道支援活動が中断され、度重なる避難によって食料や水、医薬品へのアクセスや対応が悪化している。24年9月─25年8月に小児の急性栄養失調が6万件発生すると推定されている。

今回の報告は9月30日─10月4日の分析に基づいており、足元で起きている最新状況を反映していない。

国連の人道支援機関は、10月2日─15日までにガザ北部には食料援助はほとんど入らず、配布できる食料は枯渇寸前だと指摘。燃料不足も深刻化しており、大半のパン屋は数日で閉店を余儀なくされる恐れがあるとしている。