天才絵師・伊藤若冲の“幻の作品”に触れられる美術館が話題 TOPPANの最新技術駆使した「デジタル文化財ミュージアム」に予約殺到 東京・文京区

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TOPPANが10月から一般公開したデジタル文化財ミュージアム「KOISHIKAWA XROSS」では、最新デジタル技術で再現された貴重な文化財を没入体験できる。
伊藤若冲(いとう・じゃくちゅう)の「釈迦十六羅漢図屏風」が復元され、注目されている。

伊藤若冲の幻の作品「釈迦十六羅漢図屏風」が復刻

天才絵師が描いた「幻の作品に触れる」美術館・デジタル文化財ミュージアム「KOISHIKAWA XROSS」をご紹介する。

遠藤玲子キャスター:
10月から一般公開されたのですが、予約が殺到しています。ぜいたくな没入体験ができる美術館は、印刷会社「TOPPAN」の本社ビル地下1階にあり、来館客とともに進むと、そこは真っ暗な部屋の中でした。

案内:
デジタル表現を活用した文化財体験を、どうぞお楽しみください。

遠藤キャスター:
壁・天井一面に映像が流れると、その光が奥へと流れて、扉になりました。TOPPANが10月から一般公開したデジタル文化財ミュージアム「KOISHIKAWA XROSS」は、最新鋭のデジタル技術で精密に再現された貴重な文化財を、没入体験できるミュージアムです。

VR THEATERでは、全長20メートルの大型LEDカーブビジョンで、16K超高精細VR映像で世界遺産・国宝の「金峯山寺本堂・蔵王堂」の普段はお目にかかれない秘仏が目の前で鑑賞できます。

そして、来館者一番のお目当てが、江戸時代の天才絵師・伊藤若冲の作品です。2018年にパリで美術展が開催された際に、当時皇太子だった陛下も足を運ばれたことのある作品です。

宮司愛海キャスター:
鳥の絵ですごく有名なイメージで、“異端児”って呼ばれたんですよね。

遠藤キャスター:
このミュージアムでは、行方不明となっている幻の作品「釈迦十六羅漢図屏風」も展示されています。行方不明なのに、どうやって再現したのか、手がかりは1枚の小さな白黒写真でした。縮尺や色、質感など、細かいデータを写真から読み解き、若冲独自の「升目描き」という描き方まで特殊な印刷方法で復元したそうです。

360度好きな角度で作品を鑑賞

会場では、「全然違いますね」と作品に触れる来館者の姿があった。

遠藤キャスター:
本物なら触れませんが、再現した展示物なので触ることもできます。ほかにも大型ディスプレーに投影された展示物を自分で操作し、好きな角度から見られるブースも人気でした。

来館者:
展示してあるものの見えない部分まで見せていただけるじゃないですか。われわれは絶対に触れないし、決して中は見られないところを見せていただけるって非常に楽しめました。

別の来館者:
すごく展示方法が新しくて、こういったプロジェクションマッピングとか、新しい印刷技術のお話を聞いて、すごく興味深かったです。

TOPPAN文化事業推進本部・竹道博義課長:
デジタルにすると、360度好きなところを実際に体感いただける。ご覧いただけないところをしっかりと補完できるというところが最大の良さ。

遠藤キャスター:
体験してきたんですが、映像もきれいで没入感があります。1回1時間ほどの観覧なんですが、12人と少なく、貸し切り空間で楽しめます。ガイドの説明もあるので、芸術にくわしくなくても十分に楽しむことができました。さらにこれだけの最新技術ですが、併設されている美術館の入館料400円に、この鑑賞体験は別途500円かかり、合計900円で体験できます。

開館日ですが、土日および土日に続く祝日で、現在11月10日まで予約がいっぱいで、次回の予約受付は11月1日正午からということです。
(「イット!」10月16日放送より)