新監督交渉、内田篤人コーチ起用理由、選手選考…佐々木則夫なでしこ“監督代行”が状況説明

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 日本サッカー協会(JFA)の佐々木則夫女子委員長が4日に取材対応を行い、26日に国立競技場で開催される『MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2024』なでしこジャパンvs韓国女子代表において、なでしこジャパンの正式監督を置かず、佐々木委員長が監督代行で臨むと発表した。

 なでしこジャパンはパリオリンピック2024終了後、池田太監督が契約満了によって8月かぎりで退任。その後の監督について佐々木委員長は、10月の試合に向けて急いで監督を決めることはせず、先を見据えてしっかりとした監督が擁立できるまで、交渉などを続ける方針であることを明かしていた。

 佐々木委員長は、「次のワールドカップ、オリンピックへ向かうステージの期間となり、非常に重要な期間ととらえています。代行するにあたっては、これまでのなでしこジャパンを見てきたということと、将来を踏まえた中で、身近なところで私が代行するのがベストではないかと決定し、しっかり女子委員会でもお話をして、(宮本恒靖JFA)会長含め、各役職の方にも相談して決定しました」と、自らが率いることになった経緯を説明。新監督候補との交渉などが続く中だが、9月中に監督代行で臨むことを決めたとしている。

 スタッフ陣もこの日発表し、狩野倫久U−20女子代表監督、内田篤人氏がコーチとして入閣。西入俊浩GKコーチと大塚慶輔フィジカルコーチは引き続き、今回のチームにもスタッフとして加わる。

 内田氏はロールモデルコーチとして世代別男子代表やA代表の練習に加わっていたが、このタイミングでなでしこジャパンのコーチを1試合とは言え担当することになる。佐々木委員長は、「代表、世界でのプレーヤーとしての経験、そして彼の指導者としての姿勢、アンダーの練習も非常に熱意を持っている。そういうことをぜひやってほしいというアイデアがあった」とスタッフ入りの理由を説明。「女子サッカーというものにも興味があり、『もしチャンスがあるのであれば』と彼からも意欲的な反応があり、こういったメンバーが構成できた」と熱量を持って取り組むことに期待を寄せている。

 佐々木委員長はボール保持しつつ、試合を支配する攻撃的なサッカーがなでしこジャパンの目指す姿と以前話していたが、選手選考については23名を招集する意向であるとし、「ここだけではなく、まだ時間があるので、以前のプレースタイルよりも、『もっとこうしたい』というところをしっかりトレーニングを積み、そういったパフォーマンスを韓国戦で見てもらいたい」と言及。負傷明けの選手などは無理に選考せず、コンディション最優先とした上で、「若い選手、今まで一度も入ったことないような選手も、これからを見据えた中でも編成しなければいけないだろうということは伝えて、今編成をしている」と、続けている。

 新監督の選考については国内外で交渉中とのことだが、少数に絞らず多くの候補、女子チームの指導経験の有無の壁も取り払った上で考えているとし、「なでしこが監督を探している情報がエージェントさんなども確認され、対象の方にも情報を送り、興味があるとなれば、なでしこの状況を見ていただき、プレゼンしていただいた方もいます。サッカー観や、日本の女性の資質については、世界大会を客観的に見ても、本質的なところは簡単にわからないと思います。試合を見ての感想やどうしたらベスト4以上に進めるかという会話をしたり、性格的な要素も含め、簡単にフィットはしないというところもあり、現在進行形で実施しています」とコメント。2025年2月のインターナショナルマッチウイークは新監督で臨むとし、12月までには発表できるようにしたいと見通しを明かした。