Apple関連の情報に精通した著名アナリストであるミンチー・クオ氏の調査により、2024年発売のiPhone 16シリーズは前モデルのiPhone 15シリーズに比べて予約注文数が12.7%減少したことがわかりました。

iPhone 16 first weekend pre-order analysis: estimated total sales of about 37 million units; Pro series demand lower than expected | by 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) | Sep, 2024 | Medium

https://medium.com/@mingchikuo/iphone-16-first-weekend-pre-order-analysis-estimated-total-sales-of-about-37-million-units-pro-0a04869b147c

Apple’s Hearing Aid, Sleep Apnea Saved iPhone 16 Event; M4 Mac Launch Details - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/newsletters/2024-09-15/apple-s-hearing-aid-sleep-apnea-saved-iphone-16-event-m4-mac-launch-details-m13kkabb

クオ氏の情報によると、「iPhone 16 Pro Max」の初週の予約注文数は1710万台となっていて、この数字は「iPhone 15Pro Max」と比べて約16%減少しています。同様に「iPhone 16 Pro」は約27%の減少ですが、一方で「iPhone 16 Plus」は48%増、「iPhone 16」は10%増となっており、iPhone 16シリーズでは消費者がハイエンドモデルではなくエントリーモデルを求めていることはっきりとわかります。

モデル平均納期初週予約注文数前年比の初週予約注文数の変化率予約注文受付前の生産台数前年比の予約注文受付前生産台数の変化率iPhone 16 Pro MaxiPhone 16 Pro Max:3〜4週
(iPhone 15 Pro Max:7〜8週)1710万台-16%600万台106%iPhone 16 ProiPhone 16 Pro:1〜2週
(iPhone 15 Pro:3〜4週)980万台-27%550万台7%iPhone 16 PlusiPhone 16 Plus:2〜3週
(iPhone 15 Plus:1週未満)260万台48%130万台-28%iPhone 16iPhone 16:1〜2週
(iPhone 15:1〜2週)730万台10%420万台15%

iPhone 16シリーズではチップが更新されたほか、「カメラコントロールボタン」と呼ばれる専用のボタンが追加されるなどいくつかの点で改善が見られています。ProおよびPro Maxでは、48メガピクセルカメラ搭載や12メガピクセルカメラによる5倍望遠撮影、最大120fpsの4K動画撮影などの要素が追加されましたが、Bloombergは「エキサイティングな新機能の導入ではなく、デバイスの基本的な改良が主な内容だった」と評価し、ユーザーの満足度は維持されるものの大幅な購入促進につながるものではないだろうと指摘しています。

また、iPhone 16シリーズに搭載されることが確定しているAI機能「Apple Intelligence」が発売からしばらくたった後に追加されるものだと知らされているため、発売直後の売上にはつながらなかった可能性が指摘されています。これに加え、クオ氏は「中国市場における激しいスマートフォン競争がiPhoneの需要を妨げている」とも考察しています。

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全体的に、iPhone 16シリーズの初週予約注文数は前年比12.7%減となり、iPhone 16 ProおよびiPhone 16 Pro Maxの需要はアナリストの予想を下回りました。予約注文数のデータが明かされた後、Appleの株価は1日で2.8%下落し、iPhone事業に携わるCirrus Logic等のチップメーカーも株価が下がったと伝えられています。

クオ氏は「初週は振るわなかったものの、欧米の年末商戦や中国のW11(11月11日のセールイベント)を通じて売上が向上する可能性があります。これらの要因を加味することで、iPhone需要の変化を捉えることができるでしょう」と述べました。