[9.5 W杯最終予選 日本 7-0 中国 埼玉]

 ワンサイドゲームの中でも集中力を貫いた。

 北中米W杯アジア最終予選・中国戦のゴールマウスを託された日本代表GK鈴木彩艶(パルマ)はこれが最終予選デビュー。相手の枠内シュートが0に終わり、セットプレーでも守備機会はなかったものの、白星発進という結果に「まず勝利すること、そして無失点で抑えることは意識していたのでそれが達成できてよかった」と安堵の表情を浮かべた。

 前半の日本はパスがつながらず、カウンターからピンチを招きそうな場面もあったが、いずれもフィールドプレーヤーの対人対応で阻止。後半は相手が5バックに布陣を変えてきたことも影響し、ほとんど反撃の機会すら与えないまま、GKとしては見せ場の少ない展開で試合を終えた。

 それでも鈴木は「僕としてはシュートを受けるシーンがなかったけど、こういうゲームになることが一番」とチームの内容面を評価。「常に背後の準備はしていた。味方に任せるところと自分が出るところ、90分間通してコミュニケーション取りながらできたと思う」とピンチに備えた準備の面でも手応えを語った。

 また鈴木はこの日、初めて背番号1で日本代表戦に出場。「初めて代表の選手として埼玉スタジアムのピッチでプレーできて嬉しい気持ちもある」という浦和レッズ時代の聖地・埼玉スタジアム2002で、GKとして重みのある番号を背負ってプレーした。

「自分としてはそこまで意識していないけど、周りから見たら1番の重みはあると思う。気にしすぎることはないけど、責任感あるプレーができたと思う」

 アジア杯では悔しい失点も経験したが、これで3月の北朝鮮戦(◯1-0)に続いて2試合連続のクリーンシート。鈴木は「次はアウェーで今日とは違ったゲームになると思うのでそこに向けて準備していきたい」と気を引き締め、次戦の地バーレーンに向かった。

(取材・文 竹内達也)