更年期は、ホルモンバランスや自身を取り巻く環境の変化などから、心身の不調を起こしやすい時期。ここでは、そんな更年期のゆらぎを経験した50代が実践していたことをご紹介。看護師の資格をもつ、暮らしコーディネーターの瀧本真奈美さんが語ります。

ベッドを新調したら、快適に一日が始められるように

以前は、宮つきのすのこベッドを使用していたのですが、マットレスとほぼフラットな宮だったので枕がズレてしまい、朝起きるといつも枕がきれいに当ってない状態でした。当然、起きたそばから首や肩のこりを感じ、朝からすでに疲れていました。

これではいけないと、ヘッドボードつきのベッドに変えたところ、不調が嘘のように改善されました。

睡眠には、枕やマットレスが重要と言われますが、それを支えるベッドフレームこそいちばん重要なのではないか、と今では個人的に感じています。この快適さから入眠時間も早くなったほか、枕もズレなくなって朝まで快眠できるようになりました。

スマホチェックの時間を短縮し、首・目の負担を軽減

時間があるとつい手にしてしまうスマホ。調べものをするとき、有益な情報を効率よく知りたいとき、楽しい動画を観たいときなど、私にとってもなくてはならないものです。

ですが、スマホを眺める時間は、うつむいた姿勢になってしまい、これが30度の角度の場合、小学生1人分の体重くらいの負担が首にかかってしまうとも言われています。併せて、目への負担も多大です。

なので、理由もなく長時間もスマホを操作するのをやめて、仕事で必要なことはすべてPCでの作業に切り替えて行っています。これだけでも随分、首や肩のこりが軽減してきています。

対人関係は“広く浅く”。心地いい距離感にシフト

SNSの普及から、人の裏側も多く見えてしまうようになり、人間関係を構築するのも難しくなっているような気がします。

つき合いが深いほど気になってしまう相手のこと。ちょっとしたことで不快に感じ、逆に不快に思わせてしまうことも。なので、人づき合いは広く浅く。その先が気にならない程度が、心のゆらぎを感じる時期はちょうどいいと思っています。

たまには人の手を借り、「ヘッドスパ」で癒やされる

数年前からヘアサロンで毎回ヘッドスパを受けています。私がかよっているサロンはドライスパとウォータースパが選べるのですが、ドライスパは首やデコルテまでのマッサージがついていて首こりにも非常によく、ウォータースパは、水の音に癒やされつつ爽快感もあるので、定期的に種類を変えて施術を受けています。

首だけでなく頭もとても軽くなるので、今では私にとって欠かせない習慣のひとつ。自分では難しい部位をケアできるので、今後もずっと通いたいと思っています。

心療内科を受診して、安心感を得ることも大切

昨年、これまでの人生で経験したことのないほどつらいできごとがありました。そこから、表面的には普通に過ごしているように見えても、人には絶対に見せない落ち込んだ私との乖離状態が続き、ついに今年の春頃には、家事すらできない、眠れない、人に会いたくないという症状が出るまでになってしまいました。

元看護師の自分がまさかと思いつつ、勤務経験から早めの受診がいいだろうと心療内科へ。そこで薬を処方してもらい、それが自分に合っていたようで今では「普通の私」に戻ることができています。

高いように見えた心療内科受診のハードルは、意外にも低くとても安心できるものでした。体の不調とは違い、心の不調は症状がわかりにくく、判断が難しいもの。いつもと違う自分が現れて、その状態が続くようであれば「これくらい」と思わず、早めに相談するのがよいと実感しました。

以上5つが、今の私を支えていると言っても過言ではないことです。ほかのケア術についても、またの機会にご紹介できればと思います。