ESSEonlineに掲載された記事のなかから、9月に読みたいベストヒット記事をピックアップ!

50代は暮らしをラクに変えるチャンス。ライフオーガナイザー・ファイナンシャルプランナー・家計アドバイザーの下村志保美さんは、片づけの仕事でさまざまなおうちに行くなかで、自身の暮らしも見直し、上手に手を抜くことができたそう。今回は下村さんに、50代になってやめたことについて教えてもらいました。

※ 記事の初出は2023年9月。年齢など内容は執筆時の状況です。

50代、手放してラクになったこと4つ

数百円の節約よりも、ラクに暮らすことを考えると、自然と貯まる家計に。家が片づいている人・貯まる人になれる、暮らしの“手抜き”テクです。

●1:一人分のみそ汁をつくること

夫は単身赴任で娘夫婦と3人で暮らしていますが、大人3人がそれぞれ仕事をしていると食事の時間がずれてきます。また若い夫婦とは食の好みも違いますので、一緒に暮らしながらも食事は別々のことも少なくありません。

私はおみそ汁が大好きなのですが一人分だけつくるのもおっくうですし、またまとめてつくっても風味が落ちておいしくない。なので自分1人のためにおみそ汁をつくることを手放し、フリーズドライタイプのものを使うようになりました。

もちろん手づくりするよりは割高ですが、手軽さとおいしさは格別。準備もラクだし後片づけもラク。ささやかなぜいたくです。

●2:洗濯を干すこと

ドラム式の洗濯乾燥機を使い始めて10年くらい。洗濯を干すことを手放しました。

もともと洗濯という家事は嫌いではなく、むしろ洗濯を干す作業は大好きな家事のひとつでしたが、仕事をしていると朝出かけるときは晴れていても、帰宅前に雨に降られて洗い直しということも。

だからといって室内干しはにおいも気になるし、洗濯物がぶら下がっているビジュアルもスッキリしません。

思いきってドラム式の洗濯乾燥機を購入し、電気代にヒヤヒヤしながら洗濯から乾燥までというのを1か月やってみたところ、電気代は数百円上がった程度でした。

それ以来、衣類は乾燥機に入れられるものを選ぶようにし、どうしても乾燥機にかけられないものは入浴時にざっと手洗いし、浴室乾燥で乾かすようにしています。

お天気に左右されずに洗濯ができるので、下着やタオル、シーツなどのリネン類も最小限の数ですみます。

●3:アイロンをかけること

娘が高校を卒業すると制服にアイロンをかける、お弁当のクロスにアイロンをかける、ということが不要になりました。

不器用なので細かいところは上手にアイロンがけもできず、夫のワイシャツはそれ以前からクリーニング店にお任せ。ハンカチもタオルハンカチを使う、自分の衣類はアイロン不要のものを選ぶなど、なるべくアイロンをしなくていいようにしてきました。
どうしてもというときは仕方なくアイロンをかけていましたが、面倒ですしどうにもうまくできない。

思いきって自分のブラウス、そして仕事でたまに使うリネン素材のエプロンもクリーニングに出してみました。

当たり前ですが仕上がりはキレイで気持ちいい。苦手なアイロンと格闘する必要もないし数百円で着たい服を着ることができ、気分よく仕事ができるなら価値は十分あります。

●4:数百円の節約

「自分でやればただ」「自分でやれば節約」と子育て中はとくに数百円のぜいたくすら罪悪感を感じていました。とくに形に残らないものに関してはケチケチしていたように思います。結果飲みきれないみそ汁にイライラ、乾かない洗濯物にイライラ、アイロンが必要な衣類を買ってくる家族にイライラ、という精神的なストレスも。

また電気代をケチってせっかくの乾燥機能を使わず新たに室内干し用の物干しを買ったり、せっかく買った服もアイロンが面倒で着なかったり…。金銭的なムダや出費もじつはあったと今になって思います。そしてそこをケチっていたわりには「安いから買わなきゃ損!」とばかりにセールで洋服を買っていたバランスの悪い節約思考だったと反省もしています。

最近は電気代や食品などの物価も高騰しているからこそ節約は気になるところですが、その節約は本当に意味と価値のある節約なのか? 今買おうとしている「安いから買おうかな」と思っている洋服1枚をやめればできるせいたくではないのか?

無理に節約するのではなく、暮らしをラクに回すことを考えたら、自然と貯まる家計になっていくように思います。50代からは形に残るものでなく、時間や労力そして仕上がりに価値を感じ、暮らしをラクに変えてみてはいかがでしょうか。