老後のために50代で「手放したもの」。最初に捨てるべきは使わないもの:2024年6月トップ10
ESSEonlineで2024年6月に公開された記事のなかから、ランキングTOP10入りした記事のひとつを紹介します。
年齢を重ね、老後の暮らしが見えてくると、できるだけ体力があるうちに片づけておきたいもの。50代で家じゅうの片づけを始めたという、整理収納アドバイザーの原田さよさんに、最初に手をつけた片づけについて教えてもらいました。
※ 記事の初出は2024年6月。年齢を含め内容は執筆時の状況です。
50代のうちにものを手放すことのメリット
私は50代になってから一念発起し、家じゅうの片づけをはじめました。年齢を重ねていくこれからは、少しでも身軽に暮らしていきたいと思ったからです。今は整理収納アドバイザーとして発信していますが、若い頃からものを捨てるのがとにかく苦手で、いったん収納してもすぐ散らかしてしまうタイプでした。そんな私が50代でまずなにから手放したかについてまとめてみました。
ものを手放すことは大変さもありますが、体力のあるうちに経験しておくことで、その後の買い物に慎重になり、ものが増えないという効果も表れてきます。「使う場所の近くにしまう」という収納のスキルは、ものを減らしながらでも身に着くものなので、ものが多すぎて困っている人は取りかかりやすいものから、ぜひ手放してみてください。
手をつけるべきは、迷わず捨てられるもの
はじめのうちは、残すか手放すかで迷わないもの(使っていないもの)から整理するのがおすすめです。不用品、いわゆる明らかなゴミや、壊れて使えないものなどがそうです。
修理すれば使えると思って置いてあるけれど何年も放置しているものや、捨てよう捨てようと思いつつ物置きの中やガレージの隅に積んであるものがありませんか? まずはこれらに着目し、処分していきましょう。
それが不燃ゴミや粗大ゴミであれば、決められた日に忘れずに出していきます。ちなみに私が住む地域では、当時は月に1回しか出せなかったので、忘れないようスマホのアラーム機能を利用して自分に知らせていました。
壊れているものでも、久しぶりに使いたくなったら、ぜひ修理に出して使い始めて欲しいです。やはり、ものは使ってこそ生かされると思います。
大きなものの整理がしんどいときは範囲を絞る
大きなものの整理は疲れるという場合は、棚1段や、引き出しひとつというように、範囲を絞ってやってみてください。
まず、いったんその棚や引き出しからものを全部出します。それから、ひとつずつそのものを確かめ、使っていないものや、使えなくなっているものを処分していきましょう。
置きっぱなしや入れっぱなしで放置しているものを手放す
引っ越しで運び入れて以来、箱をあけていない・触ってもいない・中身がなにか忘れている、というものが家のなかにありませんか。私は、今住んでいる家に30代半ばで越してきてから50代になるまで、一度もあけたことのない段ボール箱がありました。箱だけを移動することはあっても、中身はいっさい見ていませんでした。また、本棚に入れっぱなしで何年も読んでいない本もたくさんありました。
段ボール箱はあけて中身を見ましたが、思い入れのないものだったため、すぐ処分できました。本のほうも、すでに私には文字が小さすぎたため、思いきって手放すことに。専門書についてはまとめておき、それを扱っている古書店に送って買い取ってもらいました。
必要だと思い、集めすぎたものは減らす
集めすぎているものも、減らしやすいもののひとつです。たとえば、紙袋、ビニール袋、あき箱、きれいな缶、リボンなどのラッピング用品を、いつか必要になるからと大量にためこんでいませんか。私の場合、それらはオークションで出品する際によく使っていましたが、だんだん出番がなくなってきました。
なにかをおすそ分けする際にも使いましたが、そういう機会もめっきり減りました。年齢を重ねるにつれ「こんなに必要ない」と分かったので、わずかだけ残してほかは処分。大量の紙袋でふさがっていた場所がすっきりして、気分がよかったです。
体力に余裕があっても、やる気がもたないと整理はできません。やる気を維持するのに必要なのが、達成感です。あまり迷わずに手放せるものから整理して「ああ、すっきりした」という気持ちを味方につけながら、心が軽くなる暮らしを目指していきましょう。