『おとなの週末Web』で好評連載中の「ニッポン“チャーラー”の旅」から端を発した(!?)、スタンプラリー型の食べ歩きイベント「チャーラー祭り2024夏 supported by おとなの週末」が、2024年8月31日まで愛知県内の中華料理店全12店を舞台に開催中。公式アンバサダーを務めるライター・永谷さん自ら全店制覇を目指します。その第3弾。今回も2軒巡りました。

『おとなの週末Web』で好評連載中の「ニッポン“チャーラー”の旅」から端を発した(!?)、スタンプラリー型の食べ歩きイベント「チャーラー祭り2024夏 supported by おとなの週末」が、2024年8月31日まで愛知県内の中華料理店全12店を舞台に開催中。公式アンバサダーを務めるライター・永谷さん自ら全店制覇を目指します。その第3弾。今回も2軒巡りました。

2024年8月31日(土)まで名古屋市内及び近郊の町中華でチャーラーを食べ歩く『チャーラー祭り supported by おとなの週末』。公式アンバサダーを務める私は、カメラマンでもあるので、スタンプシートやwebで使用した参加店のチャーラーの写真撮影も担当した。

地元のおばちゃんたちが集う人気店

個性豊かなチャーラーが多い中、ひと目見て「この店へ行きたい!」と思ったチャーラーがある。それが今回最初に紹介する『中国料理 蓬莱』である。

『中国料理 蓬莱』外観。窓にチャーラー祭りのスタンプシートが貼ってあった

店は愛知県春日井市の松川橋から庄内川を渡ってすぐの場所。最寄り駅は名鉄瀬戸線小幡駅になるが、歩くと30分近くかかるため車で行くのが便利だ。店の横には駐車場も完備している。

店に着いたのは12時半頃。駐車場がガラ空きだったため、客はいないと思いきやほぼ満席だった。町内会的な集まりなのだろうか。おばちゃんたちがビール片手に盛り上がっている。こういう雰囲気、町中華っぽくていいなぁ。その土地で暮らす人々の「素」の生活感を垣間見ることができるのもチャーラーの旅の醍醐味でもある。

ランチのメニュー。「辛口ミンチのせ」のラーメンも気になる

ランチ(月〜土、11時〜14時)のメニューはこんな感じ。おっ、ここにも「チャーハンとラーメンのセット」(1100円)と「チャーハンとミニラーメンのセット」(900円)があるではないか。

チャーラー祭りで提供しているのは「チャーラー祭り専用チャーハンラーメン」(1320円)。“チャーラー祭り専用”とは一体何なのか。とりあえず、ビジュアルからチェックしてみよう。

チャーラー祭り専用セットで王道のチャーラーを満喫

「チャーラー祭り専用チャーハンラーメン」(1320円)。このビジュアルはかなりソソられる

おそらく、チャーハンは通常のものと変わらないと思うが、ラーメンの具材にゆで玉子とナルト、モヤシが追加されている。しかも、ナルトは2枚。そのおかげで見た目がとても華やかになっている。ほんの少しのことだけど、ラーメンにおいてそれらは重要なアイテムなのだ。

では、ラーメンから実食。スープの表面には脂があまり浮いておらず、あっさりとした味わいながらベースとなる鶏の旨みがしっかり。

具材にゆで玉子とナルト、モヤシを追加したチャーラー祭り専用メニュー

麺はやや縮れのある中太麺。噛んだ歯を押し返すようなコシがあり、これも町中華では定番だ。卓上にあるコショウをパパっとかけると、ギュッと引き締まった味わいになり、箸を動かすスピードが速くなる。口の中いっぱいにスープの旨みを充満させたところでチャーハンをいただく。

チャーハンの具材はチャーシューとネギ、玉子とシンプルこの上ない。あ、そうそう。注文時に紅ショウガの有無を尋ねられた。人によっては紅ショウガが苦手な人もいるし、サンドイッチのパセリのように残す人もいるだろうから、この配慮は正しい。

パラパラ系食感のチャーハン。これも旨い

食感はしっかりと炒められたパラパラ系。口の中で米粒がコロコロと転がるのがなんとも心地よい。チャーシューの旨みがふわっと広がって、醤油の香ばしさが余韻となって残る。それをラーメンのスープで洗い流してもリセットとはならず、どんどんおいしくなっていく。いやー、旨い! 久しぶりに王道のチャーラーを満喫した。

参加店で唯一、チャーハンに着目

調子にのってこの日の夜もチャーラー祭りに参戦。向かったのは参加店の中で唯一、名古屋市外にある『中国料理 キョンキョン』。店があるのは愛知県西部の一宮市。最寄り駅の名鉄名古屋本線妙興寺駅から徒歩約30分。JR名古屋駅から車で45分くらいかかるため、交通の便がよいとはいえない。

オレンジの壁とピンクの看板、緑のタペストリーの派手な店構え

しかし、郊外にある町中華は喫茶店と同様に、店から半径2キロ、遠くても3キロ圏内のエリアから訪れることがほとんど。ゆえにアクセスの良さはさほど問題ではない。地元で暮らすお客が喜べばそれでよいのだ。

チャーラー祭りは、地元密着型の町中華にわざわざ遠方から足を運び、その店がいかに地元で愛されているのかを知る機会でもある。実に社会派のイベントなのである(笑)。

私がこの店に注目しているのは、名古屋市外にあることだけではない。冷麺やつけ麺、まぜそばなどチャーラーのラーメンにこだわった参加店が多い中で唯一、チャーハンに着目し、こだわり抜いたオリジナルメニューで勝負に挑んでいる点だ。

町中華らしからぬ豪華すぎるチャーラー「蟹フカヒレ餡かけ炒飯セット」(1375円)

それがチャーラー祭り提供メニューの「蟹フカヒレ餡かけ炒飯セット」(1375円)である。餡かけ炒飯は、どちらかといえば冬のイメージが強いが、旨ければ関係ない。しかも、蟹フカヒレときたもんだ。こんなの、おいしいに決まっているじゃないか! そんな蟹フカヒレ炒飯にハーフサイズのラーメンとサラダも付く。それで1375円は太っ腹としか言いようがない。

口の中を支配するカニと鶏ガラの旨み

いつもはラーメンから食べる私。しかし、今回は蟹フカヒレ餡かけ炒飯を食べたい衝動が抑えられず、チャーハンからいただくことに。おーっ! 餡も中のチャーハンも熱々だ!

たっぷりとかかった餡とチャーハンがベストマッチ

ハフハフしながら味をチェックすると、カニの風味が前面に出て、ご飯に染み込んだ旨みが後味となって広がり、やがて一体化する。うっ、旨い! もう、町中華のレベルを完全に越えているではないか。

餡の中身はカニ肉とえのき茸、卵白、そして繊維状になったフカヒレ。フカヒレそのものに味はなく、ツルンとした食感。それもたしかに感じることができた。

フルサイズで食べたくなるほどおいしい

箸休めならぬレンゲ安めにハーフサイズのラーメンをいただく。こちらも町中華らしからぬ上品な味わい。スープのベースとなっている鶏ガラの旨みのみが見事に抽出されていて、滋味すら感じる。

ハーフサイズながらもチャーシューやモヤシ、ワカメ、ネギと具沢山なのもうれしい。麺はやや縮れのある中太麺。これも旨い。

サラダで口の中をリセット

蟹フカヒレ餡かけ炒飯とラーメンを交互に夢中で食べていたら、サラダの存在を完全に忘れていた(笑)。サラダの中身は、ほのかな酸味のあるドレッシングがかかったキャベツとニンジン、レタス、そして小さいながらも存在感のあるポテトサラダ。

サラダを頬張ると、さっきまでカニと鶏ガラの旨みに支配されていた口の中が完全にリセット。再び蟹フカヒレ餡かけ炒飯を食べると、最初のひと口目の感動が蘇ってくる。うん、サラダもイイ仕事しているなぁ。

カウンター席に貼られたチャーラー祭りのポスター

このセットが目の前に運ばれたとき、正直、ボリュームがやや少ないと思ったが、たっぷりとかかった餡かけのせいなのか、食べ終わるとお腹がいっぱいにになった。この満腹感こそがチャーラーの醍醐味といえよう。

“満腹になる、夏。”をキャッチフレーズに開催されている『チャーラー祭り2024夏 supported by おとなの週末』は、8月31日(土)まで。全国のチャーラーファンのみなさま、ぜひ、愛知県に来てチャーラーを思う存分堪能してください!

取材・撮影/永谷正樹