衣類の収納場所を1か所にまとめると、家事の負担を減らすことができます。2年前に平屋の家を建てたライターは、個室とLDKを結ぶ廊下に、家族の衣類を収納管理できるウォークスルークローゼットをつくりました。近くに洗面所や家事室もつくったので、朝の洗面から着替えがスムーズになり、洗濯物がリビングに散らかることもありません。

建てたのは延床面積37坪の家事ラクな平屋

筆者は夫と小学生の双子の4人家族。2年前、廊下全面ガラス張りの極寒賃貸から、延床面積37坪の平屋の注文住宅に引っ越しました。

間取りでこだわったのは、ラクに生活できる家にすること。効率的な家事動線と管理のラクな家を追求しました。

とくに苦手な家事は洗濯。収納場所が点在するのは、洗濯動線を考えるうえで大きなマイナスです。

そこでわが家はファミリークローゼットを採用し、収納場所を1つにしました。ウォークインクローゼットにするための面積確保は困難。そのため廊下を活用し細長いウォークスルークローゼットにしました。

2年生活して実感したメリットと、これから工夫したいことをご紹介します。

個室とLDKを結ぶ廊下をウォークスルークローゼットに

ウォークスルークローゼットの位置は、リビングと寝室や子ども部屋をつなぐ動線上(廊下)にあります。広さは約2.5畳、コの字にハンガーパイプを設置しました。

垂れ壁で視覚的に廊下と境目を、意識できるようにしています。

また、廊下をはさんで反対側にも、小さな収納スペースをつくっています。

ウォークスルークローゼットには現状、おそろいのチェストを家族4人分(4個)置き、下着を含むそれぞれの衣類を仕分けしています。

現状はこの形ですが、やがて子どもが巣立ったり、大きな収納物が発生したりすることもあるでしょう。こうした変化に柔軟に対応できるよう、設備はあえてつくり込んでいません。

ちなみに家事室(ランドリールーム)からの動線は、ほかの部屋を経由しません。そのおかげか、引っ越し以来、リビングに洗濯物が散乱したことがありません。

間取りの工夫だけで、すっきりしたリビングを実感できています。これはいちばんうれしいポイント。衣類を持ち込まないせいか、ホコリ汚れもほかの部屋より少なく感じます。

また、ウォークスルークローゼットが、寝室から近い場所にあることも正解でした。わざわざ寝室に上着や翌日の衣類などを、準備しておく必要もありません。衣類を1か所で管理しているため、行方不明(?)も減りました。

朝の支度やお風呂準備がスムーズに

上の写真は個室側から、ウォークスルークローゼットを見たところです。左手前のドアはトイレ。収納をはさんで鏡が見えている場所が洗面所。突き当りのドアの先がLDKです。

このプランにしたことで、起床して、洗顔後はすぐに着替えることができます。おかげで気持ちをしゃっきりと切り替えられます。

移動がないので、ほかのことに気が散ることがなく、寝起きでも身支度が簡単に終わる実感があります。子どもの身支度も同時にできるので、朝のあわただしさは2割減。

動線をシンプルにしたからか、子どもへの指示がとおりやすいメリットも。簡単な作業や身支度を、本人に任せることができています。朝だけでなく、帰宅後の着替えやお風呂の準備も、ずいぶんラクになりました。

家事室からも近く、洗濯物の整理もラクに完了

ウォークスルークローゼットに家事室(ランドリールーム)から、ダイレクトに行けるのも、この間取りの大きな魅力です。

丈の長いワンピースやワイシャツなどは、そのままハンガーを移動するだけ。たたむ衣類はピンチやハンガーから外して、たたんでそれぞれのチェストに仕分けします。

将来、子どもが自分で衣類を管理するようになったら、チェストをそのまま子ども部屋に移動するつもりです。

ちなみにバスタオルやフェイスタオルは、脱衣所の可動棚に。

難点は来客時、丸見えになってしまうこと

わが家のウォークスルークローゼットの難点は「丸見え」なところです。

設計当初は引戸の設置案もありましたが、来客時だけのために引戸3枚をつけるのは、コスパが悪いということでオープンに。

いざ住んでみると、やはり来客時に問題が…。LDKからトイレへの動線上にクローゼットがあるため、来客時はかならずだれかが通ります。

「押入れ」のように、ものを隠せないので、丸見えになってしまうのです。これはデメリットでしかありません。見せる収納とまではいかなくても、不快にならない程度に、こざっぱりしている状態を維持する必要があります。

とは言えズボラな筆者には、難しい場面が多いことを痛感しました。完璧に仕切れなくとも、とりあえずの目隠しがあれば、かなり心が救われるはず。そのため現在、垂れ壁にロールスクリーンを設置する予定で、商品選びを楽しんでいます。