すっきり暮らしには、ある程度のものは手放す必要があります。そんな捨てる目的がわかれば、手放す基準は自然に決まります。ここでは元祖・節約主婦として知られ、カウンセラー・エッセイストとして活躍する若松美穂さんが、あえて捨てないものについて語ってくれました。

すっきり暮らしたいけれど、捨てなくてもOK!

ものを捨てるとすっきりしますよね。でもいざなくなってみたら困ることも。そしてまた買う。もちろん実際になくしてみるからこそ分かることもありますが、なんだかもったいないと思います。

「捨て活」「手離しブーム」が長く続いていますが、変わらずキープしているものも多くあるわが家。今となっては、それでよかったと感じます。

暮らしを重ねるうえで、求めることや暮らし方はみな違うから、いつだって「わが家の基準」が大切だと感じます。

そこで今回は、わが家の「捨てずにもっていてもいいじゃないかグッズ」を挙げてみようと思います。

1:ビニール傘

無駄遣いの象徴のように言われるビニール傘。わが家にも少なくない本数があります。だからといって、節約下手でも、浪費家でもないと思っています。

こうも気候が不安定では、急な雨に遭うことは仕方がないことですし、折りたたみ傘を持ってはいても、対処できないくらいの雨もある。

だから、「体と荷物、心地よさを守るため」、必要なときには買っています。

そして買った後は有効に活用しますし、大切にも使います。傘がない来客や友達に差し上げたり、車内専用にしたりすることも気兼ねなくできます。

病院など大勢の人がいる場所に行くときには、目印もつけます。万が一なくなっても、思い入れがない分、後悔することがないというメリットもあります。

2:食器

どう考えても使わない食器や、来客がないのに取っておいたセットのカップ。大人数で集まらないのに、大きなお皿を取っておいても仕方がない。

けれど、食器は「食卓の彩り」でもあります。毎朝、どのカップにしようかなと選んで飲むコーヒーや紅茶は、自宅でも格別です。

同じ料理でも、食器が異なるだけで雰囲気が変わり、食器に助けてもらうことも。

ある人が言っていました。「家の中を見直して本当に必要なものだけ残したの。でも必要なものだけで暮らすって、案外味気ないものね。無駄も必要だと気がついたわ」と。

人それぞれですが、無駄は一種の「うるおい」なのかもしれません。

3:ソファ

リビングを占拠するソファ。家族の形が変化してだれも座らない、荷物置きになる、ソファに横になって電気をつけたまま朝まで寝てしまう家族がいるなど、ソファの存在が問題を生むのであれば処分対象ですよね。

一方わが家は、ソファが必要な理由は明快です。

テレビを見るときにラク。ソファで皆がうたた寝をし、それが元気の回復につながっている。家族の疲れ具合も把握できる。

ソファがあるからこそ集まり、隣にくっついておしゃべりをすることも。

目的は「団らん」。広さや見た目と天秤に乗せて比べても、団らんの勝利です。

4:各部屋のゴミ箱

もしゴミ箱がなかったら…。わが家の家族はとても面倒くさがることでしょう。そこに捨てる場所があるからこそ、それぞれが自分のゴミを自分で処理してくれる。

こちらも口うるさくなりたくないですし、「家の中が散らからないため」に置いています。

ゴミを集める作業は、「たまったら捨てる」くらいでも問題なしと気楽に考えています。

5:お風呂場のイスや洗面器

ない家庭も多いお風呂のイスや洗面器。わが家では「なくてもいいよ」と言う家族がいない。とくにイスは必須で、ないのはイヤとの声があります。

カビが心配ですが、今はお掃除グッズがどんどん進化中。洗剤を振りかけるだけで、案外きれいになります。

汚れが取れにくくなったら、買い替えるという選択をもつと気楽かもしれません。無理に長く使うことにこだわらず、ほかのところでの無駄を省いて(カフェに行くのを1回減らすとか)、日々使うものにこそ、お金をかけてもいいのかなと感じています。

6:キッチンマットやトイレマット、バスマット

捨てる人が多いマット類。わが家は築23年ですが、マットを敷いていない部分と敷いた部分では、床の劣化の違いが一目瞭然です。

キッチンの場合、食材や水滴・調理道具など、なにかしら床に落とすもの。マットに守られて汚れを防いでいるという感覚があります。

少し余裕がある日やお天気がいい日に、全部一気にまとめて洗っています。

一方なくしたもの・減らしたもの5つ

・便座カバー:つける・外すのがとにかく面倒。その分マメに便座をふきます。

・バスタオル:バスタオル必須の家族が家を出たからやめました。家族の要望は無視できません!

・カップ麺やレトルト食品などのストック:食べる家族が減り、多くを必要としなくなったため。必要なときに必要な分買うように。

・アウトドアグッズ:使う機会が減ったので、思いきって処分。

・思い出のもの:ものがなくなっても思い出は残る!

「なんのためにそれが必要なのか」と目的を考えると、取っておいた方がいいもの、手離してもいいものがわかるのかもしれません。