パリ五輪グループDで日本と対戦する強敵たちを徹底解説!イスラエル、パラグアイ、マリの実力とは
パリ五輪男子サッカーが今月24日に開幕する。日本はパラグアイとの初戦を日本時間25日午前2時にフランス・ボルドーで激突する。
日本が所属するグループDの対戦相手は海外サッカーを注意深く見ているサッカーフリークでも知名度が低い選手が大半だ。
そこでパリ五輪開催前にイスラエル、パラグアイ、マリのチーム状況や戦力を徹底解説!
ベールに包まれた強敵たちの実力をひも解く。
(構成・文 高橋アオ)
三笘所属のブライトンの10番がいるパラグアイ
グループDで日本と初戦で対戦するパラグアイは、同グループで最強の敵になる可能性が高い。隙のないスカッドをそろえており、攻撃は日本代表MF三笘薫が所属するプレミアリーグ・ブライトンの10番MFフリオ・エンシソを中心に変幻自在の素早いカウンターアタックを繰り出してくると予想する。
そもそもエンシソは当初招集される予定はなかったが、初期招集メンバーのパラグアイ1部クラブ・リベルタGKアンヘル・ゴンサレス、ウルグアイ1部ナシオナルMFグスタボ・カバレーロ、ブラジル1部クルゼイロMFファブリツィオ・ペラルタが負傷離脱。
このためOA枠でロシア1部ディナモ・モスクワDFファビアン・バルブエナ、ブラジル1部ボタフォゴGKロベルト・フェルナンデス、そしてコパ・アメリカに出場していたエンシソを追加招集に成功した。
怪我の功名というべきか、初期招集メンバーよりも豪華なスカッドを用意できたため、前評判は低評価から高評価へと南米の評論家は手のひら返しをしている状況だ。
エンシソは細かいタッチとエッジの利いたターンで向かい来る敵をはがすドリブルと、トリッキーなパスと正確なワンツーで抜け出す突破力も備えている。相手の虚を突いた強力無比なミドルシュートを持ち合わせるため、エンシソ一人で窮地(きゅうち)に追い込まれる可能性がある。
バルブエナも屈強な守備と相手をイラつかせるマリーシアを見せることがあるため、一筋縄ではいかない。さらにイタリア1部ラツィオFWディエゴ・ゴンザレスも得点力があるため、エンシソ以外のアタッカーにも注意を払わなければならない。
日本人にとって馴染みのあるブライトン所属のチャンスメイカーを食い止められるのかに注目したい。
未知数だが爆発力のあるマリ
グループD2戦目のマリは、同グループで最も未知数な相手だ。2023年に開催されたU-23アフリカネイションズカップで3位でパリ五輪出場を決めたマリは世代を代表するような選手の招集はできていないが、爆発力を秘めた選手の招へいに成功している。
最も危険な選手はプレミアリーグ・ウォルヴァーハンプトンMFブバカル・トラオレだ。昨季プレミアリーグで24試合に出場し、優れた身体能力を生かした出足の鋭いタックルや激しい球際の守備で相手のチャンスを潰すプレーは圧巻だ。
他にもフランス2部ボルドーの主力守備的MFイスフ・シソコも招集されており、中盤のデュエルについては激しい争いが予想されるため、日本にとってハードな試合になるだろう。
OA枠には快速ウイングのFWデンバ・ディサロが素早いドリブルからサイド突破を試みる可能性が高いため、攻撃に転じられれば突出した身体能力を駆使した個の力を警戒しなければならない。
グループDで最も情報が少ないチームであるため、分析するのも一苦労だろう。この未知数だが爆発力のあるチームを上回らなければグループリーグ突破は困難になる可能性がある。
守護神の負傷離脱で暗雲漂うイスラエル
グループD最終戦のイスラエルは暗雲が立ち込めている。オーバーエイジ(OA)枠(23歳以下の五輪メンバーに、23歳以上の選手を最大3選手加えられる枠)で招集していたドイツ1部バイエルンGKダニエル・ペレツがハムストリングを負傷したため、大会不参加が決定した所属チームが発表した。
さらにイスラエルメディアの『isport』によると、イスラエル1部ハポエル・ベエルシェバGKニヴ・エアリシが18日に行われたイスラエル1部マッカビ・ペタク・チクヴァとの練習試合で負傷したため、復帰まで2週間がかかる見込みだと伝えた。
相次ぐゴールキーパーの負傷により、本大会はイスラエル1部マッカビ・ネタニヤGKオメル・ニラオンが出場する見込みであり、ガイ・ルソン監督は「ケガなく終わりたいと思っている。飛行機に乗る前日まで、みんなが健康で飛行機に乗ってほしいだけだ」と同メディアの取材で語っている。
このためゴールキーパー陣の相次ぐ離脱で守備面に不安を抱えるが、中盤から前線はタレントがそろっている。オーストリア1部レッドブル・ザルツブルクMFオスカー・グローフは今季リーグ戦29試合7得点15アシストとチャンスメイカーとして君臨し、高精度のパスからのチャンスメイクや2列目の飛び出しなどは日本にとって脅威になる可能性が高い。
OA枠ではベルギー1部ヘントの守備的MFオムリ・ガンデルマンの招集に成功。188センチの高身長と鍛えられた肉体を駆使した守備が持ち味であり、刈り取るようなタックルやインターセプトから素早くパスをつないで、イスラエルのポゼッションを回復するキーマンとなっている。
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GK問題が浮上するまではグループDでは最もバランスが取れた編成となっていたが、守備面に大きな爆弾を抱えている。この欠点を突く形で日本は優位に試合を運びたいところだ。