多くの夫婦が悩んでいるといわれる「セックスレス」問題。今回はESSEonline読者323人にアンケートを実施。なかなか周囲と気軽にできる話題ではないからこそ、ここで女性たちが抱える切ない悩みをシェアしたいと思います。

令和のリアルな夫婦生活。レスで悩む人と悩まない人

セックスレスに関するアンケートに協力してくれたのは30〜60代までのESSEonline読者323人。「セックスレスに悩んでいる/悩んでいた」と回答したのは100人という結果になりました。

悩んでいる、悩んでいた…100人(31%)
悩んでいない…219人(68%)
答えたくない/未回答…4人(1%)

「悩んでいない」と答えた人の中には、「現在進行形でレスだけれど悩んでいない」という人も。

原因でダントツのトップは「産後レス」!

レスの中でも圧倒的に多かったのが、産後で忙しくそれどころではなくなってしまったというケース。女性側が拒否していたり、性欲がなくなってしまったという声もありました。

「2人目が産まれてから、4人で川の字で寝ているので、行為がなくなりました。私もまったくそんな気分にならないので悩んでいないです」(東京都・30代)

「レスですが、夫との会話も多く、寂しさはあまりありません。子どもと私が同じ寝室で寝ているので、行為ができる環境が整っていないため、物理的に難しいのもあります」(京都府・40代)

「産後の慢性的な睡眠不足により、私の性欲は皆無になりました。夫は、そんな私を気遣い、理解を示してくれました。レスで悩まなかったのは、もともと夫と私は友達のような関係性で、行為に重きを置いていなかったからだと思います。また、行為をしない分、会話をしていました」(愛知県・40代)

子育て世代にとっては時間的な問題、場所的な問題、ホルモンの問題などがレスの大きな原因になっている様子。ただ夫とのコミュニケーションが取れているケースでは、女性が深く悩まずに暮らしていることが多いようです。

しないほうがラク。レスで悩まない!という意見

不妊治療をしていて行為が苦痛になっている人、更年期による不調を抱えている人のなかには、しない生活にメリットを感じているというケースも。

「以前は主人のことを受け入れられない自分に精神的にモヤモヤしていましたが、求められなくなりとてもラクになりました」(東京都・40代)

「レスで上等だと思っている。面倒くさがりなのでそもそも疲れることはしたくないし。出産したら子育てに必死。レスでよろしいと思ってもう10年以上経っています」(東京都・40代)

本当に「なくてよかった」と感じている人のほか、読んでいて寂しそうに思えるコメントも寄せられました。

現役世代の女性の多くがレスの悩みを抱えている

一方、「レスで悩んでいる人」の年齢層の内訳はこちらです。

30代…22人
40代…54人
50代…23人
60代以上…1人

悩んでいる人の平均年齢は40歳。50代以下の現役世代を中心に、レスの悩みが深い様子。またアンケートの内容を読むと、だれにも打ち明けられず、一人で抱えこんでしまうケースも少なくありません。

夫の浮気とレスのセット。50代になってからは…

「夫と交際中、つき合い始めの半年くらいまでは会えば必ずという感じでしたが、会う頻度は変わらないのにレスになっていきました。まだ20代半ばで自分になにか欠点があるのか、胸が小さいからかなど考えモヤモヤ。思いきって理由を聞いたところ、『毎回するのは嫌かなと思って』と私を思いやってのことのように言ってました。けれど、そのときは浮気相手がいたようです」(兵庫県・50代)

この方のケースは、浮気が終わると元に戻ってきました。しかし、その後、15年以上レスになっているそう。

次の方も、夫の浮気がレスのきっかけに。

「30〜40代の頃はレスに悩みました。夫は一時期浮気をしていたようで、それも関係していたと思います。今は、レスの状態がむしろ普通な感じです」(埼玉県・50代)

むしろ今は夫が、時々思い出したように求めてくることにうっとおしさを感じているとか。「それでもどちらかといえば仲よく暮らしています」とのこと。若いころは夫の浮気やレスに悩んでいても、50代をすぎると女性側が落ち着いて悩まなくなるという声もありました。

悩むことに終止符を打った人

「30代後半の頃にレスで悩んでいました。彼がとにかく仕事が忙しくて、夜のお誘いをしても『そういう気持ちにはなれない』と言われていました」(東京都・40代)

悩んでいた理由はレスだけでなく、夫が仕事のつき合いで女性のいるお店に飲みに行っているのを知っていたからだといいます。

「外で浮気をしていないことは分かっていたのですが、昔は彼から誘ってくれることが多かったので、とても不安になりました。もう私のことは嫌いになったんじゃないかな、ほかに好きな女性ができたのかななど、心配は募るばかりでした」

不安を吹き飛ばしたい気持ちもあり、なるべく彼に言葉に出して「好き」の気持ちを伝えたり、ハグの回数を増やしたりしたそう。その甲斐あって、夫が寂しがっている様子に気づいてくれたようで、ランチやお茶タイムなど2人で過ごす時間が増えたことで、夫婦仲がよくなったそうです。

「今でも“しよう”とはならないですが、キスやハグは毎日必ずしています。結婚当初行くことができなかった新婚旅行にも行く予定です。彼の気持ちに対する不安はもうないので、レスで悩むということはひとまず終わりました」

レスの夫と離婚して新しい人生を踏み出した人

「夫からのレスで数年苦しみました。色々改善しようと試みしたが無理でした。はっきり理由も分かりませんが、おそらく浮気。家族として生活していましたが、ラクになったきっかけは、友達と行った占いでレスをオープンにしたことでした」(大阪府・40代)

この方は友達に話せたことで気持ちが軽くなり、レスも気にしなくなったといいます。そしてその後、離婚に至ったそう。

「年齢とともに、言葉や態度に優しさや思いやりが感じられれば、充分と思えるようになりました。2人で旅行したり、外食したり、同じ物を見て共感できれば幸せと思います」(福島県・50代)

「うちは子どもはおらず、夫婦ふたりです。結婚してすぐに私が婦人科系の病気になって手術したりしたり、その後、パニック障害になったりして、子どもをつくるタイミングを逸してしまったのもあり、レスになりました。でも、それについて夫婦で話したこともありません。一時期は友人のお子さんを見たりするたびに、子どもをもつことについて悩んだ時期もありましたが、夫婦仲はうまくいっています。夫婦それぞれだと思うのですが、セックスはそれほど重要ではなく、お互いそれぞれ尊重し合い、一緒の時を過ごし、話をたくさんし、楽しく過ごすことが家族として重要だと今は思っています」(神奈川県・40代)

体調の問題でできず、夫に申し訳ないと悩む妻

「不妊治療で鬱になってしまい、その頃から、主人に触られるのが嫌になり、それ以来レスです。仲はいいので、そのこと以外問題はないのですが、主人に申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも今は更年期なのか、体調が悪く、改善策を考えられずにいます」(大阪府・40代)

「私はしたくない、でも主人はしたい。愛情がない、嫌いだからしたくないということではなく、もうその行為自体が受け入れられないことを理解してもらうのは不可能でした。今となっては諦めてくれたように感じています」(広島県・40代)

体の不調が原因で、できなくなってしまった辛さ

「ある時期から行為時に痛みを感じるようになりました。無意識に自分でも痛みの箇所を外すように体をよじるようになり、そのようなことが続くうちに受け入れるのがしんどくなりました。その後婦人科検診で子宮筋腫が外側にあることを指摘され、子宮の位置と痛みのある箇所の方向が同じことに気づきました」(兵庫県・40代)

「乳癌で手術。片方の胸がなくなりました。まだ受け入れられなくて、夫も私の扱いをどうしたらいいかわからない様子。私もそのままで、なるようになれって感じています」(兵庫県・50代)

体の不調が出始めることが多い女性の40代。「レスの問題以上に健康問題は深刻だ」「夫婦ともに健康じゃないとできない」という意見もありました。そしてそれは男性側も同じようです。

断られ…仕方ないとわかっていても、やりきれない

「主人とは約11歳の年齢差です。夫が病気になり、できなくなりました。もしかしたら、年齢的なことかもしれません。このまま結婚してる限り、私の人生にはそういうことはないのかと思うと辛いです」(兵庫県・50代)

「新婚当初、主人がメンタル不調で休職したとき、仕方ないと思いつつも拒否されたことがいまだに尾を引いています。主人は最近『したい』と言ってきますが、私は拒否されてたときの気持ちがいまだに残っており、したくなくなってしまいました」(福島県・30代)

断られたときのショックが残っていて、時間と共に“する気持ち”がなえてしまったという意見に共感する女性も多いのではないでしょうか。

体のつながりではなく、自分で選んだ家族

「身内の闘病や自身の体調不良もあり、気づいたらレスに。遅めの結婚ではあったものの、まだボディコミュニケーションは普通にあっていい年齢だったのでかなり悩みました。夫は適当に発散していたのかもしれません。女性は男性よりリスクが多くて不公平だと思ったこともあります。話し合いも大変でしたし、ほかの要因もあって徐々に離婚したいと思うようになりました」(東京都・50代)

その後、夫のことを人としては嫌いではないし、むしろ好きなのだというお互いの共通認識があることに気がつき、最終的に“友達夫婦”という選択をしたそう。欲しかったのは、血のつながりや体のつながりではなく、自分で選んだ“私の家族”だと気づいたら楽になったと語っていました。

「交際時から夫が行為に消極的だったので自分に魅力がないのか悩んだ時期もありました。結婚してから夫に聞いてみたら、するしないではなく、気持ちで繋がっていて愛しているからそれでいいと言われ、プラトニックな愛もよいと思って納得しました。性欲が弱い男性もいることを知りました」(東京都・40代)

夫婦問題は本当に十人十色。性欲の強さや体の調子も、夫婦といえど、いつもぴったりマッチした状態とも限りません。ひとり悩む前に、お互いに本音を話し合える環境を整えておくことも大事なのかもしれませんね。