憧れはあっても、天然素材の台所道具はカビたりサビたり面倒そう…と心配する人も多いはず。日々の暮らしを豊かにする台所道具、生活用品を扱う「のレン神楽坂」のプロが、「せいろ」と「おひつ」を長く使うコツを紹介してくれました。使い方からお手入れの仕方まで、合わせてチェックしましょう。

使い始めのひと手間で一生ものの台所道具に

「台所道具は高いものを買えばいいというわけではありません。使い始めのひと手間や、お手入れ次第で、どんな道具も長くつき合っていくことができます」と、のレン神楽坂の岩崎さん。

【写真】台所や暮らしの生活用品を扱う「のレン神楽坂」

使うほどに愛着が湧くのも台所道具の魅力。

「天然素材は使うほどに手になじみ、味わいが出てきます。一度手にしたならば、いつもの料理がより楽しくなること間違いなしですよ」

お手入れの基本:もちをよくするには使ったあとの“乾燥”が大切!

どの道具にも共通する大敵は水気&湿気。使い終わって汚れを落としたら、風とおしのいい場所で乾かして。直射日光は素材を傷めるのでNG。陰干しがベストです。

せいろのお手入れ

金属製の蒸し器に比べ、優しく熱が伝わり、食材がふんわりみずみずしく蒸し上がります。「せいろ」のお手入れ方法を見ていきましょう。

●お手入れに必要なアイテム

・ふきん
・ブラシ
・新聞紙

●使い始め:におい移り防止に約15分空蒸しする

ほこりや木のアク、においを和らげるため、湯を沸かし、なにも入れずに15分ほど蒸す。水洗いは素材を傷めるので避けて。

●使うとき:内側には葉野菜や専用シートを敷く

素材のこびりつきを防ぐために、せいろの底に葉野菜や専用シートを敷く。葉野菜ならば、おかずにもなって一石二鳥。

●保管するとき 直射日光を避けてしっかり乾かす

注意点はおひつと同じ。長時間使用しない場合は、よく乾かしたあと新聞紙などに包んで保管を。通気性の悪いポリ袋はNG。

●汚れ、カビが気になるときはふきんとブラシでケアを

調理中の湯気で殺菌されているので、使用後は洗わなくて0K。汚れや軽いカビはふきんでぬぐい、取れないものはブラシでかき出す。

おひつのお手入れ

炊き上がったご飯を入れれば、木の吸湿効果でベタつかず、ふっくら。ここからは「おひつ」のお手入れ方法をチェックしてきましょう。

●お手入れに必要なアイテム

・酢
・ふきん
・スポンジ
・サンドペーパー
・タワシ
・中性洗剤

●使い始め:酢を混ぜた水を入れアク抜きをする

水洗いしてたっぷり水をはり、おちょこ2、3杯程度の酢を入れて2〜3時間おく。すすいで水分をよくふき、ひと晩乾かす。

●使うとき:においや色移り防止に濡れたふきんでふく

 

ふきんの水気が多いと木の吸湿性を生かせないため、よく絞ったものでふく。使用後は水か湯で洗い、水気をよくふいて乾かす。

●保管するとき:風とおしのよい場所で乾かす

木の道具に湿気は大敵! 洗って乾燥させ、風とおしのよいところで保管。底部分に黒ずみが出たら、サンドペーパーでこする

●食器用中性洗剤は落としきれないがんこ汚れだけに使う

水とスポンジで落とせない汚れは、やわらかめのタワシで落とす。がんこなものは中性洗剤を使っても0Kですが、しっかりすすいで。