キヤノン戸倉氏、EOS R1の完成度に自信「120点満点のフラッグシップ」
EOS Rシリーズのフラッグシップを冠する高性能モデル「EOS R1」がついにお目見えしました。キヤノンでカメラ事業を統括する責任者は「フラッグシップは100点満点ではなく120点満点を目指して開発している。そうでないとプロには満足してもらえないからだ。東京五輪の際に出したEOS R3は“1”の名称を付けられなかったが、今回やっと“1”の名にふさわしいものが出せた」と、EOS R1の完成度に自信を見せました。
キヤノンのカメラ事業を統括する、キヤノン イメージンググループ管掌 副社長執行役員の戸倉剛氏。EOS R1の完成度に自信を見せた
EOS R1は120点満点の完成度、リリース時期は「ほぼ計画通り」
2018年9月にEOS Rシリーズが登場して間もなく6年、シリーズのフラッグシップモデル「EOS R1」がついに正式発表されました。全世界に向けて発信したオンライン発表会の会場で、キヤノンのカメラ事業の責任者を務めるキヤノン イメージンググループ管掌 副社長執行役員の戸倉剛氏が報道陣の囲み取材に応じました。
2024年11月発売予定のEOS R1。キヤノンオンラインショップでの販売価格は1,089,000円
「お待たせしていたEOS Rシリーズのフラッグシップがようやく出せた。カメラのフラッグシップモデルは作り上げるのが非常に難しく、開発に相当なパワーや時間を要する。開発陣は、100点満点ではなく120点満点の完成度を目指して開発してきた。そうでないと、プロのみなさんに満足してもらえないからだ。事業を考えれば新製品は早く出せた方がよいが、消費者に歓迎されるための品質が備わっていなければならない。特にカメラのフラッグシップはそうだ。急ぐのではなく完成度を高めることに力を注いだ結果、これだけの時間がかかってしまったが、結果的にはほぼ計画通りだと思っている」と振り返りました。
EOS R1の開発で重要視したことについては「プロの仕事を止めない信頼性がまず第一。そのうえで、EOSのコンセプトである『快速、快適、高画質』の要素を追求し、特にAF性能の強化に力を入れた」と語ります。その一方で、操作性を急に変えないことも大事だとし、「カメラを買い替えてもできるだけ違和感なく使えることは維持した」と語りました。
グローバルシャッター方式のセンサーは「画質に課題あり」
ソニーの「α9 III」が搭載して高い評価を得ているグローバルシャッター方式のCMOSセンサーを採用しなかった点については、「キヤノンでもCMOSセンサーの開発部隊が研究開発をしているが、画質など今まで確保できていた性能が落ちる点があることが分かった。全体のバランスを勘案した結果、EOS R1では採用を見送った」と語ります。
2021年に発表した高性能モデル「EOS R3」は、優れた速写性能と縦位置グリップ一体型の形状から「EOS Rシリーズのフラッグシップがやってきた!」と見る向きもあったものの、キヤノンは一貫してフラッグシップではないとしていました。「EOS R3は東京五輪に合わせて投入したが、あえてR1のネーミングにはしなかった。“1”の名を持つカメラは、最高の性能と最高の信頼性の2本柱を両立した形で作り上げたいと思っていた。今回、1の名にふさわしいものが出せた」と振り返ります。
フラッグシップの名は得られなかった「EOS R3」
EOS R1の登場までフラッグシップの名を誇っていたデジタル一眼レフカメラ「EOS-1D X Mark III」
EOS R1の正式発表のタイミングがパリ五輪の直前になったことについては、「これ(パリ五輪)に合わせて作った」「カメラのフラッグシップを企画・開発するとき、五輪を意識しないことはない」と、パリ五輪をターゲットに開発を進めたことを明言。「パリ五輪にはEOS R1のプロトタイプを相当数持って行っており、撮影に使ってもらうことにしている」と語り、白レンズを付けたEOS R1が選手の活躍をとらえてくれそうです。
EOS R1は120点満点の完成度、リリース時期は「ほぼ計画通り」
2018年9月にEOS Rシリーズが登場して間もなく6年、シリーズのフラッグシップモデル「EOS R1」がついに正式発表されました。全世界に向けて発信したオンライン発表会の会場で、キヤノンのカメラ事業の責任者を務めるキヤノン イメージンググループ管掌 副社長執行役員の戸倉剛氏が報道陣の囲み取材に応じました。
2024年11月発売予定のEOS R1。キヤノンオンラインショップでの販売価格は1,089,000円
「お待たせしていたEOS Rシリーズのフラッグシップがようやく出せた。カメラのフラッグシップモデルは作り上げるのが非常に難しく、開発に相当なパワーや時間を要する。開発陣は、100点満点ではなく120点満点の完成度を目指して開発してきた。そうでないと、プロのみなさんに満足してもらえないからだ。事業を考えれば新製品は早く出せた方がよいが、消費者に歓迎されるための品質が備わっていなければならない。特にカメラのフラッグシップはそうだ。急ぐのではなく完成度を高めることに力を注いだ結果、これだけの時間がかかってしまったが、結果的にはほぼ計画通りだと思っている」と振り返りました。
EOS R1の開発で重要視したことについては「プロの仕事を止めない信頼性がまず第一。そのうえで、EOSのコンセプトである『快速、快適、高画質』の要素を追求し、特にAF性能の強化に力を入れた」と語ります。その一方で、操作性を急に変えないことも大事だとし、「カメラを買い替えてもできるだけ違和感なく使えることは維持した」と語りました。
グローバルシャッター方式のセンサーは「画質に課題あり」
ソニーの「α9 III」が搭載して高い評価を得ているグローバルシャッター方式のCMOSセンサーを採用しなかった点については、「キヤノンでもCMOSセンサーの開発部隊が研究開発をしているが、画質など今まで確保できていた性能が落ちる点があることが分かった。全体のバランスを勘案した結果、EOS R1では採用を見送った」と語ります。
2021年に発表した高性能モデル「EOS R3」は、優れた速写性能と縦位置グリップ一体型の形状から「EOS Rシリーズのフラッグシップがやってきた!」と見る向きもあったものの、キヤノンは一貫してフラッグシップではないとしていました。「EOS R3は東京五輪に合わせて投入したが、あえてR1のネーミングにはしなかった。“1”の名を持つカメラは、最高の性能と最高の信頼性の2本柱を両立した形で作り上げたいと思っていた。今回、1の名にふさわしいものが出せた」と振り返ります。
フラッグシップの名は得られなかった「EOS R3」
EOS R1の登場までフラッグシップの名を誇っていたデジタル一眼レフカメラ「EOS-1D X Mark III」
EOS R1の正式発表のタイミングがパリ五輪の直前になったことについては、「これ(パリ五輪)に合わせて作った」「カメラのフラッグシップを企画・開発するとき、五輪を意識しないことはない」と、パリ五輪をターゲットに開発を進めたことを明言。「パリ五輪にはEOS R1のプロトタイプを相当数持って行っており、撮影に使ってもらうことにしている」と語り、白レンズを付けたEOS R1が選手の活躍をとらえてくれそうです。