更年期の症状のひとつでもある疲れやだるさ。さらに夏の暑い時季になってくると、余計に不調が長引いてしまうことも…。今回は、そんなつらい疲れ、だるさの症状を軽減する食事や生活習慣のポイントを医師の高尾美穂先生と漢方アドバイザーの久保奈穂実さんが伝授します。手軽にセルフケアができる方法ばかりなので、ぜひ生活に取り入れてみてくださいね。

疲れ・だるさに効く生活習慣

まずは、高尾美穂先生に疲れ・だるさに効く3つの「生活習慣」を教えてもらいました。

●十分な睡眠をとって体を休める

疲れやだるさを感じる人の多くが睡眠不足。

「眠りは約90〜120分周期で深い眠りと浅い眠りを繰り返します。とくに寝入りの3時間ぐっすり眠ると睡眠の質が上がるので、寝る前の1〜2時間はリラックスして過ごして」(高尾先生、以下同)

●じっとしすぎはNG。軽い運動を心がける

だるいからといって動かずにいたり、座りっぱなしの姿勢が続くと自律神経が乱れ、だるさや疲れが助長されることも。

「適度な運動を習慣にしましょう。とくに階段の上り下りは、下半身の大きな筋肉を動かすので効果的です」

●自分を認めることで、気持ちを前向きに

更年期の不調が続くと、これまで普通にできていたことができなくなったと自分を責めがち。

「“料理を1品つくれた” “友達と楽しい時間を過ごせた”など、小さな『できたこと』に目を向け、前向きに自分を認めましょう」

エネルギー補給もばっちり!【ジャガイモと豆のスープ】

漢方アドバイザー・久保奈穂実さんの疲れ・だるさに効く「ジャガイモと豆のスープ」をご紹介します。

<効くポイント>

ジャガイモでエネルギーを補充。豆は重だるさの原因になる体内の余分な「水(すい)」を排出する作用が。温かいスープで、胃腸も元気に。

●材料とつくり方(2人分)

(1) ニンニク1かけはみじん切りにし、米油(なければサラダ油)大さじ1をひいた鍋に入れ、中火で炒める。

(2) ベーコン2〜3枚を1cm幅に切って加え、炒める。

(3) 水400mlを加え、食べやすい大きさに切ったジャガイモ1個、タマネギ1/2個を加え、ジャガイモがやわらかくなるまで煮る。

(4) ミックスビーンズ缶1缶(110g)を加え、固形コンソメスープの素1個と好みで塩少しを加える。

●こんな食材がおすすめ

更年期の夏の疲れは、エネルギー不足のタイプと、体に余分な「水」がたまって重だるいタイプの2種類。

「エネルギーを補い、水の循環を促す食材を食べましょう」(久保さん)

【エネルギーを補う食材】
・米、イモ類、カボチャなど

【水の循環をよくする食材】
・豆類、海藻類、モヤシなど

【NG食材】
脂っこいもの、味の濃いもの、砂糖の甘さが強いもの、アルコールなどは胃腸の負担になり、体内の水の巡りを悪くします。