おしゃれだと思われたい、センスよく暮らしたい、そう考えている人はたくさんいると思います。とはいっても、なかなかうまくいかないものですよね。ここでは、好きな服を理想どおりに着こなすコツについて、『センスいい人がしている80のこと』(扶桑社刊)より一部抜粋し、再編集してお送りします。

 

1:「好きな服」をうまく似合わせるには、どうしたらいい?

『センスいい人がしている80のこと』は50種類の仕事、約50か国を旅してきた作家・有川真由美氏が、「センスいいな」と思った魅力的な人のこと、感性を磨くためにやってきたことから、日々の生活でマネすることのできることを満載した1冊です。

ここでは最初に、有川真由美さんがスタイリストの方から聞いたという話からご紹介します。

「よく私に似合うのはどんな服ですか? って聞かれるけれど、まずは自分の好きな服を選んだほうがいい。その服が大好きで着ているとご機嫌になれる。おしゃれって本来そういうもの。私の役割は、好きな服をカッコよく着るお手伝いをすること」

「似合う服」がいいのか? 「好きな服」がいいのか?――。これは、だれもが考える“永遠のテーマ”かもしれません。しかし、有川さんは「好き」を軸にしたほうが断然気分がよく、センスも磨かれると言います。

「『似合う服』」というのは、他人軸のセンス。『好きな服』は、自分軸のセンス。まず、自分が満足することがいちばんで、理想は『好きな服が似合うこと』でしょう」(以下、すべて有川さん)

それに、好きな服というのは、意外に似合うものだと、有川さんは提言します。

「私はかつて『(自分が)好きより似合う服がいいのだ』という思い込みがありました。しかし、『似合う服』から考えるのは、結構難しい。どれも似合わないような気がして、結局、だれにでも合いそうな没個性的な服になってしまう。また、人からどう思われるかばかりを気にしていると、服の選び方も縮こまってしまうのです。それよりも『黒のライダーズジャケットってカッコいいな』『ビビッドなピンクのワンピース、ちょっと派手だけど着てみたい』なんて、単純なインスピレーションで選んだ服は、思った以上に『おしゃれ〜』『似合っているね』などと褒められることが多いのです」

さらに、次のように続けます。

「愛着があって『これを似合わせてやる!』と気合も違うのです。なかには『やっぱり、私には合わなかった』としっくりこないこともありますが、そんなトライ&エラーを繰り返しながら、『好きなものが似合う』確率も高まっていくのです」

なにより、好きな服を着て出かけるのは、気分がよく、いいことも起こりそうです。

ぜひ試してみてください。

2:ワードローブには、「今、一軍の服」だけを置くのがオススメ!

いつ会っても、「今日もすてきだなぁ」という印象の人っていますよね。そのような人は、ワードローブに少数精鋭の“一軍”の服だけをラインナップして、常にフル活用しているからかもしれません。

一方、「今日はイマイチ」と感じてしまう人たちは、「毎日違う服を着なきゃ!」と思い込んでいて、ワードローブには似合わなくなった服、安っぽい服など二軍三軍の服がずらり…。その結果、ここいちばんのときも、たくさん服があるのに「なにを着ていいかわからない!」と迷いに迷って、不本意なスタイルで出かけてしまうのです。

有川さんによると、“一軍”と呼べない二軍三軍の服を手放すと、コーディネートが格段にラクになるそうです。自分の好みや価値観の再確認をして、あれこれ買うこともなくなり、セルフイメージも高まるといいます。

「判断基準は、よし悪しや値段ではなく、『いまの自分にしっくりくるもの』。いま魅力的だと感じて、いま着ているとご機嫌になれる『しっくり感』は、最適化のナビゲーションなのです。『いつか着るかも』と未来に囚われたり、『高かったから』と過去に縛られたりするより、今の心地よさや新たな出合いを大切にしましょう」

有川さんは、ワンシーズン出番のなかった服は、しっくりこなくなったものとして、リユースショップや友人に譲っているそうです。

「ワードローブには“一軍の服”が5パターンもあれば十分で、手持ちが少ないほど、『おしゃれ』と言われることが多くなりました。服は着ている人の威厳や知性や魅力を演出し、その人の振る舞いまで変える力があります。だからこそ、少数でも今の自分を高めてくれる服をもちたいものです」

3:自分を輝かせてくれる「色」をもつと、さらに最高な気分の一日になる!

最後に、自分をよく見せる“パーソナルカラー”について有川さんに聞いてみました。自分をよく見せてくれる色を見つけるのは、なかなか難しいものです。

有川さんは以前、いつもカラフルですてきな装いをしているカラーコーディネーターの友人に「パーソナルカラー診断で色を決めているの?」聞いてみたとか。すると友人は次のように答えたという。

「好きな色を着ているだけですよ。似合うかどうかビクビクして選ぶのはつまらないでしょ。それにパーソナルカラー診断は、顔の真下にどの色を置いたら、顔映りがいいかで選ぶもの。顔まわりさえ気をつければ、全体の色には関係ないのよ」

有川さんはそれを聞いて、妙に納得したと同時に、「どんな色でもいいのだ」とワクワクしてきたのだそうです。

 

「色の配色は大きく分けて『同系色でまとめる』『違う色で際立たせる』の2通り。『まとめる』『際立たせる』のいいとこ取りが『差し色コーディネート』で、自分の好きな色をインナーやベルト、アクセサリーなど、アクセント的に置くと、そこに視線が集まるのできりりと引き締まり、体型をカバーできる効果もあります」

「色のセンスがいい」というのは、パッと見て感覚的に「きれいな配色」「洗練されている」と好印象をもたれることです。

逆に、「配色がチグハグ」「野暮ったい」という印象をもたれたこともあるのだとか。

「数年前、黒や茶色ばかり着ている時期がありました。それを見た前述のカラーコーディネーターの友人から『そんなに地味になってどうするの! 顔色も悪く見えるし、気持ちも内向きになっているんじゃない?』と喝を入れられて、たしかにそうかも? と反省しました。そこで、明るいブルーやピンクなど、どこかに入れるようにしたところ、不思議と気持ちも明るくなり、人に会うのも楽しくなりました」

色は心理に影響を及ぼすものです。自分を輝かせてくれる色をうまく探して、活用し、楽しい日々を過ごしてください。