6000万円超え! いすゞ「超スゴい“精悍モデル”」登場! 画期的な「段差なし・静音仕様」!? 70人乗りの「新型エルガEV」藤沢工場で運行開始
新たな「フルフラノンステ」が藤沢工場で活躍
いすゞは2024年7月2日、藤沢工場(神奈川県藤沢市)内の構内循環バスに新型フルフラット路線バス「エルガEV」を採用し、運行開始したと発表しました。
新型エルガEVは、2023年10月に開催された第1回「ジャパン モビリティ ショー 2023」で初公開され、2024年5月28日に発売されました。
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大型路線バス「エルガ」現行モデルをベースにEV(電気自動車)としたほか、床面のフルフラット化を実現した点が特徴です。
従来のノンステップバスは早期の普及を目指したことから、前扉から中扉までは段差が廃されたものの、中扉以後の座席では従来同様に段差が発生する仕様を標準化してコストアップを抑えた反面、完全なバリアフリーにはなっていませんでした。
また、初代エルガ(type-B・LV834)やエルガの先代モデルにあたる「キュービック」(LV832)にもフルフラット仕様が存在しましたが、エンジンや駆動部品配置の関係で、通路のみフルフラットといった状態でした。
加えて中扉以後の座席は高い位置に設置され、着座性に難があったほか、専用部品の採用やエンジンの横置きなど、コストや後部衝突安全にも課題があり、いすゞのみならず各社においてもラインナップから廃止が進んでいました。
新型エルガEVでは、リアアクスルの左右それぞれにモーターを内蔵した「インアクスルモーター」採用やバッテリーを屋根上と後部床下に配置したことで、低床化・フルフラット化を実現。車内のどの座席にも移動しやすい空間になっています。
さらに、エルガとしては2004年のtype B廃止以来、20年ぶりにフルフラットノンステップ仕様が設定されました。
パワーユニットは125kW(170馬力)・480Nmを発揮するモーター2基に、245.3kWhのバッテリーを組み合わせ、一充電走行距離は360km(国土交通省届出値)を確保。
従来のディーゼルエンジン搭載モデルのエルガと同等の動力性能も実現しています。
充電はCHAdeMOに対応し、3.2時間で20%から80%まで充電できるほか、駆動用バッテリーを電源として活用できるV2L(vehicle to load)にも対応しました。
先進機能では、充電状態などを確認でき、運行に役立てるコネクテッドサービス「プレイズム」やドライバーステータスモニター、EDSS(ドライバー異常時対応システム)、自動パーキングブレーキ、ブラインドスポットモニターを搭載しています。
新型エルガEVの東京地区標準価格(消費税込)は6578万1980円で、まず70人乗りの都市型ショートホイールベース(ZAC-LV828L1)モデルから先行して発売されます。
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いすゞでは、2050年までに事業活動から直接排出される温室効果ガスゼロを目指し、工場におけるカーボンニュートラル(CN)化に取り組んでいるとしています。
その一環として、CO2(二酸化炭素)を排出しない新型エルガEVが採用されました。
構内循環バスでは、外装にフルフラットフロアという特徴を乗客のシルエットで示すデザインを採用。
今後、通勤バスとして藤沢工場やいすゞプラザ、最寄り駅である湘南台駅との往復運行での利用も検討しているとし、排気ガスを出さず音も静かで街にやさしいバス、そして未来の公共交通を体現する車両として、地域住民にもエルガEVを身近に感じてもらうよう考えていると説明します。