とちぎテレビ

交通事故や犯罪に巻き込まれて命を失った被害者と、その遺族について理解を深めてもらい、被害者への支援の重要性を知ってもらおうというパネル展が6月25日から始まり、来年まで栃木県内各地を巡回します。

パネル展は、栃木県と「被害者支援センターとちぎ」、それに開催場所の市や町が連携して毎年開かれています。今年は茂木町を皮切りに県内を巡回していく予定で、6月25日から「ふみの森もてぎ」で展示が始まりました。

会場には、5つの事件や事故で犠牲になった8人の、生前の写真や遺族の手記・それに当時の新聞記事などが1枚ずつパネルにまとめられています。

これは2011年、登校中の小学生の列にクレーン車が突っ込み6人の児童が犠牲になった事故の、被害者4人のパネルです。事故に遭う数日前に書かれた詩やノートが展示されていて、命が突然、理不尽な形で奪われてしまったことをまざまざと伝えています。

また2001年、正当な業務を遂行した鹿沼市の男性職員が逆恨みされて殺害された事件では、遺族の悲痛な思いを綴った手紙が並んでいます。

「被害者支援センターとちぎ」によりますと、残された遺族は心に負った深い傷が原因で、仕事を辞めざるを得ない人や引きこもってしまう人、また、それにより生活苦になる人や、周りの人からの二次被害で傷ついてしまう人もいるといいます。

栃木県内では犯罪被害者に対して県・それにすべての市と町に見舞金制度がつくられました。しかし、遺族が事件後に抱える悲痛な思いや支援の必要性については知らない人が多いのが現状だといいます。パネル展では、こうした現状や支援の必要性を知ってもらえるよう、「被害者支援センターとちぎ」の活動を紹介したパネルも設けられています。

(被害者支援センターとちぎ 本村誠事務局長)

「(事件・事故の)被害者の方やその家族は、それぞれの思いで生きている。その思いを少しでも分かっていただいて、被害者支援についても理解していただければ」

パネル展は茂木町で6月28日まで開かれ、2025年1月まで12の市と町を巡回するということです。

また、「被害者支援センターとちぎ」は7月12日に、宇都宮市の南図書館で交通事故で当時14歳の息子を亡くした遺族の講演を予定しています。