酪農を維持するためにApple系ガジェットを販売しはじめた島根の女性2人組起業家。
島根県で酪農を維持するために奮闘する女性起業家2人によって設立された企業がある。社名はGG合同会社。設立はコロナ禍のさなかの2021年だ。GG合同会社が手掛けるのは、OkamiシリーズというiPhoneやiPad向けの便利なケーススタンドだ。一見すると販売を手掛けるツールから「酪農」は結びつかないが、実は彼女たちがAppleガジェットを手掛けはじめたのは酪農と深い結びつきがある。
GG合同会社の代表を務めるのは竹内さんと吉田さん。2人とも酪農が本来の生業である。
しかし、バター不足問題の対策として牛を増やした後に、新型コロナによる学校給食・外食でのミルク需要の激減。そして、ロシア情勢による飼料の急騰により、酪農を維持したいと思い、酪農以外の収入源を確保したいとの思いで設立した。吉田さんは酪農を続けることができなくなってしまい、今はガソリンスタンドで仕事をしながらGGの仕事をしている。
GGの代表の竹内さんと吉田さんは、熱烈なAppleユーザーだった。牛舎で牛の健康を管理するための写真撮影や、酪農事業のデータのまとめなどもApple製品で行ってきた。
その理由について「酪農を本業とする中で、セキュリティなども視野に手軽に安心して使える環境はApple製品しかない」と考えてきたからという。
iPadやiPhoneを使って牛舎にいる牛の健康を管理したり、日々のタスクを管理するには、様々な課題があった。事務所や牛舎で万が一落としてしまっても仕事が滞らないようにしなければならない。
また牛舎で使う際に不安定な柵の上でスタンドに乗せて使うiPadを落とすようなことがあったら、業務に差し支えが生じてしまう可能性もある。
そんな中、GGの2人が出会ったのがイギリスのOkamiだ。Okamiは「オリガミ」を元にした言葉で「薄くて軽くて頑丈」であることなどを現している。
2人は、まず試しにと使ってみたところ「この軽さと頑丈さなら酪農の現場でも使える」と確信。現場に導入することを決断した。
「Okamiは酪農のような過酷な環境でも使える素晴らしい製品だ」と2人はイギリスでOkamiを開発するMatia氏にラブレターとも言える熱烈なメールを送ったところ、本人からOKの返事をもらいつきあいがはじまった。
まさか開発者本人から返事をもらえると思っていなかった2人は、「せっかくの縁を生かして、酪農を維持するための資金としてOkamiを日本で販売できないか?」と思いついた。
Matia氏に相談したところ「あなたたちの活動を応援したい。ぜひOkamiの素晴らしさ伝えて日本で製品を普及してほしい」という旨の返事をもらったという。
Okamiの販売による収益は、GGの本業である酪農に活かすべく奔走しているが、まだまだ本業に回せていないのが実情である。しかし、今後酪農というビジネスが順風満帆になったとき、2人はApple系ガジェットの活動を辞めてしまうのだろうか?
「残念ながら、まだまだ酪農が順風満帆になる日は近くなさそうです。でも、そういう日が来ることを信じているし、願っています。そして、その日が来た頃には、Okamiのファンが日本中に増えているときだと思います。Okamiを愛してくれるユーザーのために、私たちはOkamiのビジネスを辞めることはないでしょう」と答えてくれた。(ITプロデューサー・Jag山本)
Jag山本(山本釈弘)
ITプロデューサー。Webマーケティング・メディア運営などを行っている。武蔵野美術大学大学院非常勤講師。著書に「新IT時代への提言」(アスキー総合研究所)など。Jag Project,LLC代表
●バター不足〜コロナによる牛乳過多〜ロシア情勢による飼料の急騰
GG合同会社の代表を務めるのは竹内さんと吉田さん。2人とも酪農が本来の生業である。
しかし、バター不足問題の対策として牛を増やした後に、新型コロナによる学校給食・外食でのミルク需要の激減。そして、ロシア情勢による飼料の急騰により、酪農を維持したいと思い、酪農以外の収入源を確保したいとの思いで設立した。吉田さんは酪農を続けることができなくなってしまい、今はガソリンスタンドで仕事をしながらGGの仕事をしている。
●Apple製品と酪農
GGの代表の竹内さんと吉田さんは、熱烈なAppleユーザーだった。牛舎で牛の健康を管理するための写真撮影や、酪農事業のデータのまとめなどもApple製品で行ってきた。
その理由について「酪農を本業とする中で、セキュリティなども視野に手軽に安心して使える環境はApple製品しかない」と考えてきたからという。
●牛舎のような過酷な環境でも安定・安心して使えるiOSガジェット
iPadやiPhoneを使って牛舎にいる牛の健康を管理したり、日々のタスクを管理するには、様々な課題があった。事務所や牛舎で万が一落としてしまっても仕事が滞らないようにしなければならない。
また牛舎で使う際に不安定な柵の上でスタンドに乗せて使うiPadを落とすようなことがあったら、業務に差し支えが生じてしまう可能性もある。
●Okamiとの出会い
そんな中、GGの2人が出会ったのがイギリスのOkamiだ。Okamiは「オリガミ」を元にした言葉で「薄くて軽くて頑丈」であることなどを現している。
2人は、まず試しにと使ってみたところ「この軽さと頑丈さなら酪農の現場でも使える」と確信。現場に導入することを決断した。
「Okamiは酪農のような過酷な環境でも使える素晴らしい製品だ」と2人はイギリスでOkamiを開発するMatia氏にラブレターとも言える熱烈なメールを送ったところ、本人からOKの返事をもらいつきあいがはじまった。
まさか開発者本人から返事をもらえると思っていなかった2人は、「せっかくの縁を生かして、酪農を維持するための資金としてOkamiを日本で販売できないか?」と思いついた。
Matia氏に相談したところ「あなたたちの活動を応援したい。ぜひOkamiの素晴らしさ伝えて日本で製品を普及してほしい」という旨の返事をもらったという。
●愛する牛と共に。
Okamiの販売による収益は、GGの本業である酪農に活かすべく奔走しているが、まだまだ本業に回せていないのが実情である。しかし、今後酪農というビジネスが順風満帆になったとき、2人はApple系ガジェットの活動を辞めてしまうのだろうか?
「残念ながら、まだまだ酪農が順風満帆になる日は近くなさそうです。でも、そういう日が来ることを信じているし、願っています。そして、その日が来た頃には、Okamiのファンが日本中に増えているときだと思います。Okamiを愛してくれるユーザーのために、私たちはOkamiのビジネスを辞めることはないでしょう」と答えてくれた。(ITプロデューサー・Jag山本)
Jag山本(山本釈弘)
ITプロデューサー。Webマーケティング・メディア運営などを行っている。武蔵野美術大学大学院非常勤講師。著書に「新IT時代への提言」(アスキー総合研究所)など。Jag Project,LLC代表