家賃が払えなくなった時どうする?もしもの時のために知っておきたいセーフティネット

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仕事をして、お金を稼いで、休日は友達や家族と過ごす。波風のない日常は、それが永遠に続くかのように錯覚する。しかし、病気やケガで働けなくなったり、親の介護でこれまでのように自分のことに時間を使えなくなったり、といったことで収入が減ったり断たれたりすると、途端に生活が行き詰まる。

家賃が払えなくなったり、クレジットカードの引き落とし残高が足りなくなったり、子どもの学費が払えなくなったり、といった自体はほとんどの人の人生に起こりうる悲劇なのだ。ある程度は保険でカバーできるが、すべてではない。そもそも何があっても万全と言えるほど多種多様な保険に入っている人は稀だろう。

◾️病気、ケガ…予期せぬ収入減に備えて知っておきたいセーフティネット

『死なないノウハウ〜独り身の「金欠」から「散骨」まで〜』(雨宮処凛著、光文社刊)は、こうした人生のピンチをどう切り抜けるか、という知恵を授けてくれる。社会のセーフティネットをいかに頼るか、という話でもあるし、何かしら頼れるものがあるので希望を捨ててはいけないという話でもある。

何らかの理由で働けなくなると、家計の収支は急激に悪化する。多少の蓄えはあっても、収入がなくなればその蓄えは恐ろしいペースで減り、最悪の場合家賃を支払うことができなくなるかもしれない。

そうなると、多くの人は大家さんに家を追い出され、ネットカフェで暮らすという選択肢が頭にちらつき始める。頼れる人がいなければ特にそうだろう。ただ、こんな時に家賃のサポートを受けられる給付金があることは覚えておきたい。

「住宅確保給付金」は、離職や廃業後2年以内の人。あるいは個人の責任・都合によらず給与などの収入が少なくなった人を対象にした給付金で、最大9ヶ月まで延長できる。貯金が各市町村で定める基準額の六ヶ月以内で、100万円を超えない額であることなど条件もあるが、広く利用できる給付金であり、実際にコロナ禍では多くの利用者がいた。支給額は収入や、住まいの家賃、世帯人数によって変わるため、自分の住む自治体の役所に行って窓口で聞いてみるといいだろう。

◾️「現代社会の命綱」携帯電話を契約できない時は…

また、現代社会で命綱となっているのが携帯電話だ。何らかの理由で携帯電話料金の支払いができず、止められてしまった場合、その情報が携帯会社の間で共有され、数年間は新しく携帯電話を契約できない場合がある。

携帯電話がないという状態は、単に通信手段がないということ以上の意味を持つ。仕事にも支障が出るし、住居の賃貸契約が難しくなる場合があるからである。

ただ、もし携帯電話を持てない状況になっても、すぐに社会参加を諦めるべきではない。過去の携帯利用料の滞納状況に一定の配慮をして、新しく携帯電話などの契約をしてくれる通信業者もあるからである。厚労省は2020年にそれらの事業者のリストを公表している。



お金がない時、仕事がなくて困っている時、介護が必要な時、健康を害してしまって働けない時。本書はそんな人生のピンチに頼ることができる制度が数多く紹介されている。

「もうだめだ」と思ってもまだ頼れるものがある。諦めずに命を繋ぎ、再帰を果たすために役立ってくれる一冊だ。

(新刊JP編集部)

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