マクドナルドへの長くこじらせた片思い?…バーガーキングの“挑発広告”の意図を担当者に直撃「2社の“本当の仲”は…」
また、バーガーキングがマクドナルドを挑発している。4月16日に大阪・なんばの千日前商店街でマクドナルドが撤退した跡地に新店をオープンし、勝手にコラボレーションのような広告を発表。いったいどんな目論見なのか、担当者を直撃した。
勝手にバトンを受け取るバーガーキング
大手ハンバーガーチェーン「バーガーキング」が、またまた「マクドナルド」を挑発して話題になっている。これまで幾度となく、マクドナルドを敵対視してきたコメントやPR戦法を取ってきたバーガーキングだが、このたびなんと、マクドナルドが閉店した場所に、バーガーキングを出店する行動に打って出た。
そしてSNSで大きな話題をさらったのは、店舗に掲げられた巨大ポスター。マクドナルドのマスコットキャラであるドナルド・マクドナルドらしき人物から、バーガーキングの店員がバトンを受け取る様子がデカデカとプリントされているビジュアルで、「あとは、お任せアレ。」とのキャッチコピーが。
「まだまだ未熟者ですが、この場所に刻まれた数々の思い出を大切にしながら、店内の美しさ、商品提供スピード、誰もをスマイルにする丁寧な接客、そのすべてを見習って、これからバーガー業界の盛り上げ役として突っ走っていきます」という意気込みも書かれており、まるでマクドナルドから使命を託されたかのように演出されている。
このポスターに込められた意味をバーガーキングの担当者に聞くと、「お客様にさらに質の良いサービスをご提供し、これからのハンバーガー業界を盛り上げていきたい、というメッセージとなっています」との返答があった。
ただ、マクドナルドを意識しているのかと尋ねると、「店頭に掲出しましたメッセージを見て、どのように感じられるかはお客様次第と考えております」と明確な答えを聞くことはできなかった。
マクドナルドとの実際の仲を聞いてみると…
今回、マクドナルドが撤退した場所にあえて出店した理由についても「3年前にバーガーキング・なんばセンター街店を閉店してから、なんば・千日前エリアで出店場所を探しておりました。この度、良い場所が見つかりましたため出店の運びとなりました。3年前にバーガーキングをご利用いただいていたお客様含め、なんば、千日前エリアの多くの皆様にご利用いただけるお店を目指しております」との返答で、マクドナルドの既存客を囲うのではなく、3年前にバーガーキングを利用していた客層などを狙うとのことであった。
広告ではマクドナルドを相当意識しているが、担当者からマクドナルドへの想いなどを聞くことはできなかった。
しかしそもそも、バーガーキングはこれまでもマクドナルドを挑発するような広告を何度も打ち出している。2020年に、マクドナルドの秋葉原昭和通り店が閉店した際、同じくバーガーキングの秋葉原昭和通り店では、
「私たちの2軒隣のマクドナルドさんが今日で最終日を迎えます。
たがいに良きライバルとして、アキバを愛する仲間として
ちかくにいたからこそ、私たちも頑張ることができました。マクドナルドさん
のいないこれからを思うと寂しさでいっぱいです。どうかみなさん、
勝手なお願いですが、今日は彼のところに行ってください。ずっと背中を追い続けた
チャレンジャーの私たちから、スマイルを込めて。お疲れさまでした」
とねぎらいのコメントを出していたが、これをよくよく見ると、縦読みで“私たちの勝ち”と読むことができ、「マクドナルドを挑発している」と大きな話題になった。
さらに2022年、マクドナルドが再び秋葉原昭和通りに店をかまえることになった際、バーガーキングの昭和通り店は突如、「私たちの価値」というタイトルで自社の商品を宣伝するポスターを店頭に張り出した。そして、こちらも縦読みすると、「店のデカさよりだいじなこと。」となり、巨大店舗を構えたマクドナルドへの挑戦だ、といわれた。
バーガーキングのマクドナルドに対するライバル心は、本国・アメリカでも健在で、VSマクドナルド広告でたびたび話題をさらっている。まるで、トムとジェリーのような微笑ましい関係にも見えるが、バーガーキング側にマクドナルドとの実際の仲、意見交流などの有無を聞くと、「しておりません」と返答があった。
もしかすると、ずっとバーガーキングからの片思いなのかもしれないが、いつかマクドナルドから返事は来るのだろうか…。
取材・文/集英社オンライン編集部