「辛焔猛味噌」のパッケージ

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 ジャパンフリトレーの激辛スナック菓子「激辛マニア」。新商品が発売される度、SNSを中心に“激辛ファン”の間で話題となっています。同スナック菓子は2006年に発売されて以来、これまでに「辛味の三連獄」「辛爆魚粉」「赤青とうがらし」「辛焔猛味噌」など、10種類以上の商品が登場してきました。企画を担当している同社マーケティング本部ブランド3課の若菜和彦さんに、開発の裏話を聞いてみました。

製造現場では防塵ゴーグル&マスク

Q.常に辛さのアップグレードに挑戦していると思うのですが、新商品を開発する上で大事にされていることは何なのでしょうか。

若菜さん「激辛マニアは『スナック史上“最辛”』を追求し、激辛ファンの方々の声に応えるべくさまざまな味わいの商品を開発しています。あまりにも辛すぎるため、社内では辛さを弱めたほうがいいのではないかという声もあります。しかし、激辛ファンのお客様からはこの“唯一無二の辛さ”を求めている熱狂的なお声をいただいております。新商品を開発する上で、激辛ファンの方々の心をつかみ続けるために“唯一無二の辛さ”と激辛のトレンドに合わせることを大事にしています」

Q.毎回、激辛商品を開発されていると思うのですが、試作品の試食でつらいことなどは、ありますか?

若菜さん「製造現場では、あまりの辛さによる目や喉への刺激に対応するため、防塵ゴーグルやマスクを備えるなど『完全防備体制』をとっています。試作品の試食は、味覚が敏感になる時間帯や空腹の状態で行っています。試食する上で1番辛いのは、1日に数種類の試作品を試食することです。辛みを感じる速さや香りが異なる試作品を試食し、味をブラッシュアップしています。『激辛マニア』は強烈な辛さが口内を襲ってきますので、正確な味を判断するために時間を空けて味わって試食していますが、試食するたびに口内が燃えるように熱く刺激が襲ってきます。激辛マニアの試作品を試食する日は、強い心と覚悟を持って挑んでいます」

Q.辛さとの闘いを教えていただき、ありがとうございます。辛さを緩和させる方法などはあるのでしょうか。今まで試した工夫があったら教えてください。

若菜さん「私は水や氷で辛さを緩和していたのですが、かえって逆効果だったことがわかりました。1日中口内が辛いのは耐えがたく、開発の担当者にどのように辛さを軽減しているのか尋ねたところ、『冷凍バターを口に入れている』と回答がありました。バターの乳成分と冷凍による冷却効果で辛さを緩和できているそうです。私はまだ冷凍バターを試せていないので、次回は冷凍バターで辛さ対策をしたいと思います」

Q.SNSでは「激辛マニア」をサラダ、パスタ、お好み焼きのトッピングにしたりなど、アレンジレシピも好評になっているようです。“中の人”たちもうなったアレンジレシピはありますか?

若菜さん「『激辛カップ焼きそば』にさらに『激辛マニア』を合わせていた方がいたのにはびっくりしました。辛さを求める上限は果てしなく高いのだなと実感しました」

Q.「辛味の三連獄」「辛爆魚粉」「辛焔猛味噌」などユニークな名前が多いのが特徴になっています。毎回、商品名を決定する際に大事にされていることは何ですか。

若菜さん「大事にしているのは『カッコよさ』と『文字から感じる辛さ』です。激辛マニアは、本当に真面目に強い辛さを求めているお客様に向けて企画、開発をしています。パッケージデザインとしてもそうですが、語呂や文字の響きとしてもカッコよく、ついつい言いたくなるようなものにしたいと思っています。また、生半可な辛さではないという事をより伝えるために、文字から感じる雰囲気が『辛い』という事にも気を使っています。結果として、火をイメージする強めの感じが多くなっています」

Q.今後も辛さレベルをアップしていかれると思います。“激辛ファン”を満足させる「ゴール地点」はあったりするのでしょうか?

若菜さん「『激辛マニア』は常に最辛を目指していますので、辛さをレベルアップさせるという考え方ではありませんが、激辛ファンの方々により満足していただくために、辛味の速さやうまみの種類や強さなどを日々研究しています。例えば、これまでの『激辛マニア』は口にしたときのインパクトを重視するために、辛さを始めに感じられる味わいにしていましたが、昨今のトレンドを踏まえ、先に素材のうまみを感じ、後から強烈な辛さがくるように辛味の速さや香りを工夫しています。『辛いけどなぜだか食べたくなる』激辛スナック菓子として、お客様に愛していただけるように辛さのやみつきを追求しています」

 これまで登場してきた商品の裏には、開発や製造メンバーの覚悟と汗の“結晶”だったとこが垣間見えました。新商品が今夏、発売される予定とのこと。発表されるまで、心待ちにしましょう。