「特典残ってたし席もガラガラ」映画『鬼滅の刃』の動員と興行収入が1年で半減した理由
2月2日に封切りとなった鬼滅の刃シリーズの最新劇場作『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』。大ヒットアニメの劇場版に注目が集まったが、映画館を訪れた観客からは「意外に空いていた」と驚きの声が上がっている。公開初日から22日まで第一弾の入場者特典を数量限定配布していたが、それも余っていたようだ。
《昨日は『鬼滅の刃』の初日でしたがガラガラでした》
《やっと昨日鬼滅映画観に行けたんだけどまだ特典残ってたし席もガラガラでちょっとさみしくなった…》
鬼滅の刃といえば、2020年公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は興行収入404億円を達成し、日本映画の歴代興行収入ランキング1位という金字塔を打ち立てた。社会現象を巻き起こした人気アニメの最新作がそれほど盛り上がっていないのはなぜなのか。
「本作は、昨年放送されたテレビアニメ第3期『刀鍛冶の里編』の最終話と、今春放送される第4期『柱稽古編』の第1話を合わせた内容なのです。テレビアニメの総集編を映画館で公開する例は今までもありましたが、特定の話だけを合わせて作った映画というのはかなり異例なこと。ファンにとっては春になればテレビで放送されるものを、わざわざお金を払って映画館で見る必要はあるのだろうかと考える人もいるでしょう」(映画ライター)
鬼滅シリーズの映画は過去に3作あり、昨年も同じ形式の“ダイジェスト”映画『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が公開されている。
「前作の時点でも一部ファンの間では不満が上がっていました。今回は上映館を拡大したので余計に空席が目立ってしまったのでしょう。ただ、本作は世界140以上の国と地域で上映しており、海外ファンからの評価は決して悪くありません。北米では初登場2位となる好成績ですが、それは日本と違ってアニメをテレビで無料で見られる環境にないからでしょう。日本の鬼滅ファンは置き去りにされている感が否めません」(前出・映画ライター)
公開中の新作の興行収入は公開3日間で観客動員44万3700人、興行収入6億4700万円で初登場1位とさすがの結果だ。しかし、これは昨年のワールドツアー上映作が記録した同81万3400人、同11億5876万円と比較するとほぼ半減してしまっている。
日本のファンが待ち望んでいるのは「無限列車編」に続く本当の意味での劇場最新作に違いない。