KDDIが「通信品質向上の取り組みに関する説明会」を開催!2023年度末にSub6基地局を約3.4万局開設めざし、2024年度にはSub6エリアを2倍に拡大へ
KDDIが2024年度に5GのSub6エリアを2倍に拡大予定!パケ止まりへの対処も継続して実施 |
KDDIは15日、都内およびオンラインにて「通信品質向上の取り組みに関する説明会」を開催し、携帯電話サービス「au」や「UQ mobile」、「povo」などで利用しているau回線において2023年度末(2024年3月末)までに約3.4万局の5Gの大容量・高品質な通信に寄与するSub6(3.7GHz帯および4.0GHz帯)の基地局開設を計画しているなど、5Gエリア展開と通信品質向上に向けた取り組みを実施することが明らかにされました。
KDDIでは2020年3月より「5G(第5世代携帯電話システム)」サービスを開始し、これまでの5Gの導入期では4G向け周波数を5Gに転用することによって特に生活動線となる鉄道路線の5Gエリア化をめざして鉄道・商業地域を重点的に整備するなどというようなエリアの面的な整備を先行してきましたが、2024年度以降は5Gの普及期として高速・安定した通信速度を提供するために5G向け周波数のエリアをさらに拡大していくということです。
この5G向け周波数の本格利用フェーズではKDDIおよび沖縄セルラー電話が認可を受けている広帯域なSub6帯の合計帯域幅200MHzを活用するためにまずは2023年度末までに約3.4万局の開設を予定しているほか、2024年4月以降は衛星通信との干渉が緩和することによってSub6帯のエリアがさらに広がり、高速・大容量・低遅延の5G通信をより体感いただけるようになるとし、これらの取り組みによってKDDIでは「通信品質でお客さまに選ばれるauへ」をめざすとのこと。
また合わせてスローガン「ずっと、もっと、つなぐぞ。au」を掲げてエリア拡大や日々の通信品質改善を重ねてつながり続ける通信サービスの提供し、全国の5Gエリア拡大と拡大した5Gエリアの通信品質の磨き上げを加速することによって命、暮らし、心をつなぐ取り組みを推進していくということです。説明会ではまずはじめに同社執行役員 技術統括本部 技術企画本部長の前田大輔氏が登壇して「令和6年能登半島地震」における通信ネットワークの復旧状況や今回の災害の特徴などを説明。
一方、5G導入期は4Gと5Gの周波数をまたがる品質課題やエリアをまたぐ品質課題によって通信が止まってしまう「パケ止まり」が発生しやすい状況がありましたが、KDDIではこれまで3Gから4Gの移行時に蓄積した各種チューニング技術を活用してこのパケ止まりの改善を実施してきたとのこと。
(1)エリア端での弱い5Gの電波を保持
5Gの初期展開においては5Gバンドのエリア端にて弱い5Gの電波を保持し続けることで体感品質が劣化する課題がありましたが、そういった場所では品質の良い周波数帯へスムーズに遷移できるようにスマホなどの端末のバンド間遷移の最適化を実施しています。
(2)アンカーバンド4Gの周波数逼迫
5Gの利用率を上げるためにスマホなどの端末をアンカーバンドへ積極的に誘導することによって周波数逼迫が発生する課題がありましたが、バンド間のトラフィック負荷分散最適化を実施しています。
(3)4Gと5Gシステム間干渉
4G周波数を転用させて早期に5Gエリアを展開してきたため、同周波数で4Gエリアと5Gエリアが隣接する箇所ではシステム間干渉により体感品質の劣化を招くといった課題がありましたが、エリアチューニングを行うことによって5Gエリア最大化と4Gへの干渉最小化を両立させています。
記事執筆:memn0ck
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