コーヒーのドリップバッグの「浸る」「量が見えない」問題は道具を使って解決しよう

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【欲しくなるコーヒー道具 #04】

手軽にドリップコーヒーを楽しめる“ドリップバッグ”。スーパーでも売ってるし、自家焙煎のカフェでもお店の豆を挽いて作ったものが売ってたりします。

でも、このドリップバッグってぇのがクセモノでして。

・どれだけお湯を入れたかわからない
・バッグがコーヒーに浸ってしまう

この2点にモヤモヤしている人は多いのではないでしょうか。

ちなみにふたつめの「コーヒーに浸る」ですが、これ実は問題なかったりします。粉をお湯に浸して抽出する“浸漬式”という抽出方法があり、これにあたるわけです。浸漬式はコクを引き出せる抽出方法になるんですが、市販のドリップバッグはいかんせんコーヒー豆を挽いてから時間が経っています。そのため雑味が出やすく、浸漬式にするとこの雑味を感じやすくなる場合も。

もし、すっきりした味わいのコーヒーにしたいなら、お湯が粉を通り抜ける時にコーヒー成分を抽出する“透過式”で抽出したいところです。

となると、是が非でもドリップバッグをコーヒーに浸したくない!

でもドリップバッグによっては、構造的に透過式が難しい場合もあるんです。

今回買ってきたのは、UCC「職人の珈琲 ワンドリップコーヒー あまい香りのリッチブレンド」(購入価格:398円)と、キーコーヒー「KEY DOORS+ ドリップオン スペシャルブレンド」(購入価格:498円)のふたつ。どちらもさまざまなスーパーで見かけるので、おそらく売れているであろう商品です。

このふたつのパッケージ、よく見てみると…、浸ってるじゃあないですか!

▲ひたひた

▲こっちもよく見ると浸ってます

どっちもしっかり、バッグが着水しています。たぶんこのような浸漬式がメーカーが想定する淹れ方なんでしょう。ううぅ、でも浸したくないんだよ…。

ドリップバッグ自体の構造は異なるんですが、どちらもカップに置いてみると…

バッグがかなり下まで行くじゃないですか。これ、浅いカップだと池ポチャ確実だわ。

 

■ドリップバッグホルダーなるモノがあるとな

お湯を注いで抽出してみましたが、上から見るとコーヒーの水位が分かりづらい(今回はわかりやすいように耐熱カップを使ってます)。

▲UCC「珈琲の達人」。まだ大丈夫でしょ、と思ってお湯を注いだら見事に着水

▲キーコーヒー「KEY DOORS+ ドリップオン」。上部の紙がかなり大きく水位が把握しにくいため、こちらも意図せず着水

はてさて、どうしたものか。なにかいい方法はないか検索してみたところ、どうもドリップバッグ用スタンドもしくはホルダーなるものがあることがわかりました。さまざまなメーカーから出ていて、100円ショップにもある模様。

たしかにこれはイイ。ドリップバッグの取り付け位置を高くできれば、池ポチャ率は確実に減ります。

気になるなら試すべし! ということで選んだのが、オークスの「コーヒードリップバッグホルダー」(1870円)。

同じカタチのモノはたくさんあったのですが、受け皿付きというのが決め手になりました。だって抽出後のドリップバッグって置き場所に困るから。受け皿があると、キッチン以外でも淹れられますしね。

さっそくカップへ取り付けてみます。この「バッグホルダー」、メーカーのスペックには「直径75〜90mmのカップに対応します」と書かれてあるのですが、さまざまなサイズのカップで試してみます。

▲飲み口の直径は左から65mm、76mm、84mm、90mm(すべて実測値)

一番左の湯呑は対応サイズ以下なのでホルダーが安定しませんでした。そして右のふたつですが、ホルダーを広げて取り付ける必要がありました。

▲グッと左右に開いてカップのフチに引っ掛けるように取り付ける

今回用意したカップはすべて適応サイズ内。すべて安定感バッチリです! これならお湯を注いでいる時に動くこともなさそう。

あとは、ドリップバッグがどのぐらい上がるかですね。

4つのカップの中から、最も浅い丸みのある耐熱ガラス製のカップで確認してみましょう。

 

ほんの少しだけカップ内にバッグの下部が入りましたが、これぐらいなら無問題。測ってみると引っ掛ける部分がカップのフチから上に約47mm高くなっています。これなら、浸る心配もないしカップ内も見やすそう。

ではお湯を注いでみましょう。

バッグがコーヒーに浸る心配は微塵もありませんね。

しかもカップ内がよく見える。これなら、どのぐらい抽出したかが目視できるので、小さいカップの時も安心です。

ちなみに淹れ方で気をつけるべきポイントは、ハンドドリップと同じ。

・お湯は沸騰状態から少し冷ます(90℃前後)
・粉がすべて湿る程度のお湯を注いで蒸らす(15〜30秒程度)
・中心に2〜3回に分けてお湯を注ぐ

お湯をたくさん注げばあっさりに、少なくすれば濃くなります。これは好み次第。UCC「珈琲の達人」は7g、キーコーヒー「KEY DOORS+ ドリップオン」は8gの粉が入っているので、一般的にお湯の量は100〜120gぐらいが目安になりますが、好みの量を見つけて「ドリップバッグの半分ぐらいまでお湯を入れる×3回」といったように、目安を作っておくといいかもしれません。

抽出後は、いよいよ受け皿の出番です。

抽出し終わったらホルダー上部を持ち、ひょいっと受け皿に移動させるだけ。広げられる下部と違い、上部はカタチがしっかりしているので、片手で持っても安心感があります。取り付け時に広げた場合は、多少フチへの引っ掛かりがありますが、その場合はカップを押さえて外しましょう。

コーヒーの味わいですが、やはりホルダーを使わず浸漬式で淹れた時よりクリアになりました。

それに、浸した場合はドリップバッグの下が結構濡れているので、外す時に雫をこぼしちゃうこともあるんですが、ホルダーを使って透過式で淹れたら、ほとんど水分は落ちているので、こぼす心配も減るのではないでしょうか。

*  *  *

“ドリップバッグホルダー”なる商品は、検索するとかなりたくさん出てきました。今回はオークスの製品を使いましたが、受け皿が必要ないならホルダーだけのモノを選んでもいいと思います。またホルダーのカタチもいくつかバリエーションがあったので、普段使うカップを想定して選んでみるといいかもしれません。

浸るのがイヤだ、淹れた量が見えるようにしたい、という人は、数百円ぐらいの商品も多いのでぜひ一度お試しを。

>> オークス

>> 欲しくなるコーヒー道具

<取材・文/円道秀和(&GP)>

 

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