韓国のキム・ドンヨン記者【写真:森雅史】

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アジア杯グループ初戦のバーレーン戦で3-1勝利、試合後に記者直撃

 日本対ベトナム戦の翌日、ユルゲン・クリンスマン監督率いる韓国代表はアジアカップ初戦をバーレーン代表と戦った。

 韓国は激しい中盤の潰し合いを掻い潜り、前半38分に左サイドを崩して右から詰めたMFファン・インボムが先制点を挙げた。

 ところが後半6分、ゴール前へのこぼれ球をFWアブドッラー・アル・ハシャシが詰めて同点に。それでもその5分後、MFイ・ガンインが強烈なミドルシュートを突き刺して再びリードすると、同23分にはゴール前でパスを受けたイ・ガンインが冷静に得点し突き放した。

 試合が進むにつれて韓国の攻勢は強まり、特にイ・ガンインはトップスピードで多彩な技を繰り出し何人もの相手選手を手玉に取る無双状態に。韓国強し、という印象を付けて3-1のスコアで試合は終わった。

 試合後、韓国のニュースエージェンシー「NEWS1」のキム・ドンヨン記者は冷静に試合を振り返った。

「韓国は勝ちましたが、決して十分だとは言えない試合でした。その理由としては、ディフェンスラインとその前に大きなスペースが出来てしまうという問題があったからです。もちろん最初のゲームということでうまくいかなかった部分はあるのですが、個々の能力で勝つことができたのであって、チームとなるのはこれからだと思います。

ゴールはファンタスティックでしたが、あくまで個人技です。チームワークはトーナメントを勝ち抜くに当たって大切になってくるでしょう。そこを修正して決勝まで行ってほしいと思います」

 この一戦を受けて、気になる日本との比較について聞いてみた。

「まず、日本とベトナムの試合を現地取材していないことは言っておかなければなりません。ですがテレビで見ていて、いつもながら日本の中盤の質の高さを感じました。また両サイドバックもいいと思います。韓国にはいいストライカーといい両ウイングがいます。日本には素晴らしい中盤と両サイドバックがいます。両者が対戦したら面白いでしょう」

 韓国メディアは勝ってなお浮かれることなく、日本の一度は逆転されたという戦いぶりを見ても侮ることなく、チームを厳しい目で見つめて優勝に導こうとしていた。近年は韓国に対して優位に立っているが、やはり最も怖い相手ではないだろうか。(森雅史 / Masafumi Mori)