コロナによる制限が緩和して、賑わいが戻ってきた2023年は、アウトドア・アクティビティに関連するツアーやアイテムが人気を呼んだ。GetNaviヒットセレクションのレジャー部門から、本記事ではネイティブアメリカンの文様が美しい「焚き火台」と星空観賞列車を紹介しよう。

※こちらは「GetNavi」 2024年1月号に掲載された記事を再編集したものです

 

私たちが解説します

トラベルライター 澄田直子さん
国内外のガイドブックを中心に取材・編集を行うトラベルライター。最近は北から南まで日本の島を中心に活動。念願叶って初上陸した秘島、青ヶ島はやはりすごかったです!

 

本誌乗り物担当 上岡 篤
2023年は撮影絡みのキャンプしかできず残念。仮にデリカミニを所有したらどんな体験ができるのだろうと想像を膨らませて、2024年こそはキャンプに出かけようと計画中。

【オシャレ系焚き火台】機能+美しさを備えて人気上昇!

軽さや収納性などの機能性は研究され尽くし、飽和状態かと思われていた焚き火台に、影を楽しむといった新たな視点を加え大ヒット。発売以来人気が衰えず、現在も1日10台以上コンスタントに売れている。

売上:8/影響:8/市場開拓:8

 

ネイティブアメリカンの文様が地面に美しく影を落とす

FUTURE FOX
ナバホ柄 焚き火台
1万9800円
2021年10月発売

本体側面にネイティブアメリカンのナバホ族が用いた伝統柄をあしらった焚き火台。火を灯すと柄が浮かび上がり、眺めながらゆったりとした時間を過ごせる。焚き火台の直径は40cmあり、薪をガンガンくべられる。

↑炎が灯るとナバホ柄が美しく浮かび上がる。炭が落ち着いてから見える柄の美しさも良いが、地面に映し出される影を眺めるのも楽しい

 

↑蹄鉄を使用したオリジナルの五徳が付属。馬に乗るネイティブアメリカンを想像して仕上げられている。質量は7kgあるが耐久性は抜群

 

新たな楽しみを付加した焚き火界の異端児

「焚き火の炎の作り出す影を楽しむなんて目からウロコ! 焚き火の新たな魅力に気づかせてくれました。五徳があれば料理ができるのも実用性が高いですね」(澄田さん)

 

オリジナルの五徳には調理器具を載せられる

「付属の蹄鉄をモチーフにした五徳は厚さ7mmと頑丈。重いですが、ケトルやスキレット、ダッチオーブンも載せられます。美しい柄を見ながら調理するのも風流です」(上岡)

 

【星空×列車旅】人気の星空観賞と鉄道の旅をマッチング

通常は車窓を楽しむ観光列車が、星を楽しむために夜間、星空列車として運行。各地でイベント的に開催されているが、運行回数が多いのはこの2つ。人気シーズンはほぼ満席になる人気ぶりだ。

売上:8/影響:9/市場開拓:9

 

JR線標高最高地点1375mで星空を眺めながらゆったり走行

JR東日本
HIGH RAIL 1375
840円(指定席料金)+乗車券代
2017年7月運行開始

小海線の小淵沢駅から小諸駅の間を、星空を見ながらゆったりと走る観光列車。車内は四季折々の星をモチーフにしたシートを配置する。途中停車の野辺山駅では沿線の星空案内人による星空観察会(約50分)も開催。

↑途中の野辺山駅では約50分の停車時間に、沿線の星空案内人による星空観察会を実施。季節の星座にまつわる話を楽しめる

 

↑2号車の「ギャラリーHIGH RAIL」では天文関連のことを学べる書籍を用意。プラネタリウムも設置され、非日常感を味わえる

 

光源がほとんどない湖上駅で星空をじっくり観察できる

大井川鐵道
大井川鐵道星空列車
星空列車特別乗車券1940円(大人)/小人970円
2018年12月運行開始

線路間に歯形レールを敷設し急こう配を登る、日本唯一のアプト式列車で楽しむ星空観賞列車。同鉄道井川線の千頭駅を出発したのち奥大井湖上駅で星空観賞、再び千頭駅まで戻るという運行だ。列車は定員制なので要注意。

↑急こう配区間では線路間の歯形レールと列車搭載の歯車がかみ合い走行するアプト式を採用。日中は四季折々の景色が楽しめると人気だ

 

↑星空観賞のために停車する奥大井湖上駅。光景の不思議さから「クールジャパンアワード」に認定された

 

秘境星空スポットでの鑑賞時間がたっぷり!

「標高の高い野辺山駅や鉄道でしか行けない奥大井湖上駅で星を眺められるのが魅力。途中の駅では1時間弱停車するので、思う存分、美しい星空を堪能できますよ」(澄田さん)

 

列車そのものだけではない人が作るサービスも魅力

「HIGH RAIL1375はJR東日本長野支社の社員発案のアイデアも魅力。今夏行われた特製弁当と軽井沢ブルワリーのクラフトビールとのコラボレーションもそのひとつです」(上岡)