現役ドラフトで入団の中日・梅野雄吾は勝ちパターンに食い込めるか? 元ヤクルトコーチが太鼓判「高津監督も買っている部分があった」
オイシックス新潟アルビレックスBCの監督を務める橋上氏は、梅野の能力を評価した(C)CoCoKARAnext
先日行われたプロ野球の現役ドラフトで、中日はヤクルトの梅野雄吾を獲得した。
梅野は来年1月で25歳になる右腕で、150キロ前後の真っすぐとフォークが武器。高卒3年目の2019年には68試合に登板するなど、7年間で216登板を記録。耐久性の部分では少し心配なところがあるものの、実力は十分だ。
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楽天のヘッドコーチなどを歴任し、現在は来季からのファーム参入が決まっているオイシックス新潟アルビレックスの監督を務める橋上秀樹氏は「ヤクルト時代に直接見ていました(※2019年に二軍チーフコーチ歴任)し、環境を変えた方が良いと思っていました。まだまだ若く、高い能力を持っているので」と、教え子の移籍に前向きな反応を示している。
「梅野投手に関しては、高津臣吾監督も買っている部分がありました。ただ、近年は清水昇投手の台頭などもあり、使い切れていなかったのもあります。ヤクルト側としたら投手を出すのは痛いでしょうが、なんとか再生させてあげたいという親心もあっての移籍かなと思います」
中日は12球団でも有数のリリーフ陣を擁している。梅野はこの中に割って入れるのだろうか? 橋上氏はこう分析する。
「バンテリンドームナゴヤが本拠地になるので、神宮球場で投げていた投手なら防御率は良くなるはずなんですよね。バンテリンドームはグラウンドが広くて、マウンドが高いので。もちろん、セットアッパーで投げていた頃の質を出せたらという前提ですが。先発投手だと勝ち星が伸びない可能性があるものの、梅野投手は中継ぎなのであまり関係ありません。一軍の戦力に十分なっていくのではないでしょうか」
梅野はいわゆるフライボールピッチャーで、前述の通り68試合に投げた2019年はGO/AO(※フライアウトに対するゴロアウトの比率。1を上回るとゴロを打たせるタイプと言える)が0.95と、1を下回った。この傾向はプロ入り後ずっと続いており、今季もサンプルが少ないとはいえ0.55。グラウンドの狭い神宮では一発の危険性を孕むが、バンテリンドームならその点リスクは小さくなる。
清水達也、藤嶋健人、勝野昌慶、松山晋也、そしてライデル・マルティネス。中日は梅野と似たタイプの投手が多数ブルペンに控えている。その中で存在感を示していけるだろうか。来季の活躍に期待だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]