昨夜(24日)に行われたバレンシア戦で、ハビエル・サビオラが2年半、正しくは854日ぶりにバルセロナの選手として公式戦でプレーした。サビオラがバルサのユニフォームを着てリーガでプレーしたのは、2004年5月23日のアウェイでのサラゴサ戦までさかのぼる。バルサは2−1で敗れはしたものの、サビオラはフル出場し、1ゴールを決めている。ライカールト監督の構想外となったサビオラはこの日を最後にモナコ、セビージャと2シーズンに渡りレンタルに出され、バルサ残留を決めたとはいえ今シーズンも彼の出場のチャンスはほとんどないと思われていた。

しかし、そのチャンスは突然やってきた。グジョンセン、オレゲールらとピッチサイドでウォームアップを開始したサビオラは、戦況を見つめながら黙々とアップを行っていた。そして、残り時間もわずかとなった84分、メッシに代わりサビオラがカンプ・ノウのピッチに降り立つと、ファンはサビオラを暖かい拍手で迎え入れた。

そのサビオラに早速逆転弾のチャンスが訪れている。エトーのセンタリングに飛び込んだサビオラはダイレクトにシュートを放つ。カニサレスのファインセーブに止められ、惜しくも逆転弾とはならなかったが、エトーの後ろに構えるセカンドトップして、バレンシアのDF陣を苦しめた。わずかな出場時間ではあったが、そのポテンシャルを披露している。

ライカールト監督もサビオラの働きには満足しているようだ。それは試合後のコメントからも伺うことができる。

「試合は膠着していたし、サビオラはゴールを決め状況を打開できる選手。だから起用した。プレー時間はわずかながらも良いプレーをしていたし、決定的なチャンスも作り出していた」。

これでサビオラの置かれている状況が大きく変わるとは考えにくいが、これまでは出場チャンスすらほぼないと考えられていたサビオラにとって、大きな意味を持つ数分間のプレーであったと言えるだろう。