道端カレン「自慢の部位は肩とかお尻って言ってみたい」40代でバキバキボディを目指したワケ
道端カレン インタビュー前編(全2回)
1990年代、10代後半からトップモデルとして活躍してきた道端カレンさん(44歳)は、32歳で初めてフルマラソン大会に出場したことをきっかけに、トライアスロンに熱中。持ち前の負けん気の強さで表彰台の常連となるプロトライアスリートになった。
しかし、コロナ禍で大会の中止が相次ぐなか、今度はフィットネスに挑戦。2022年にボディメイクを始めて1年余りで、「宮城県ビキニフィットネスオープン大会」(158センチ超級の部)で優勝、同年の日本最高峰の大会「オールジャパン マスターズ フィットネス・チャンピオンシップ」(40歳以上45歳未満160センチ超級)で4位入賞とすばらしい成長を見せている。
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【モデル体型は不利?「もっと鍛えないと」】
ーー先日、7月16日に開催された東京ボディビル選手権・ビキニフィットネス35歳超級に出場して9位でした。
道端カレン(以下、同) 前回が11位だったので2つしか順位が上がってない!
ーーそれでも着実に成長されているのでは?
全然ダメです! 先生(トレーナー)にも言われました。「普通にステージに立ってるように見えた。力が抜けすぎていた」って。
去年、IFBB(国際ボディビルディング・フィットネス連盟)国際審査委員長のパウエル(・フィルボーン)さんのセミナーに参加した際に「ステージ上では男性のボディビルディングみたいにあまり筋肉を固めすぎず、ビキニフィットネスは自然なほうがいい」と言われて。それを実践したつもりなんですが......。
ーービキニフィットネスでは"女性らしい美"が求められる。
そうなんです。カテゴリーごとに求められる体は違って、筋肉量が必要なのはフィジークやボディフィットネスです。
そうはいっても、ビキニも筋肉のカットを見せる競技なので、筋肉量がまだまだ足りない私は、もうちょっとステージ上で力を入れてもよかったかな。
それに体脂肪率17%で大会に出ちゃった。去年のオールジャパン(マスターズ フィットネス・チャンピオンシップ)では12%だったから今回はあまり仕上がっていませんでしたね......。
ーー奥が深いですね。
私は手足が長い。妹たちからも「カレンは手が長いよ」ってよく言われます。そうすると、アームカール(上腕二頭筋のトレーニング)をするにもテコの原理で運動量が必要になるから筋肉をつけるのが大変なんですよ。
男子も同じで、小柄でパーツが短い人のほうが筋肉はつきやすいし、筋肉がついて見えるそうです。だからもっと鍛えないと他の選手と並んだ時に見栄えがしないのかなって思います。
ーー理想の体というのは?
(オールジャパン フィットネス チャンピオンシップス7連覇中の)安井友梨さんがビキニフィットネスのトップ選手なので、あの方のシルエットが理想とされていますね。
具体的には細いウエストに大きな肩とお尻の筋肉がしっかりついている体形。筋肉をつけるのは大変だけど、ウエストをしぼることで、細い私でも肩とお尻を強調できるのかなって思います。私は幼児体形というか、全体的にストンとしちゃっていて。
ーーカレンさんはすばらしい体型に見えますが、なかなかおそろしい競技ですね。
もとから骨盤の大きいカーダシアン姉妹とかビヨンセさんとかはウエストがくびれて見えるからうらやましい。
ーー現状で自信のある部位はありますか?
そんなのありませんよ! 自慢の部位が肩とかお尻って言ってみたい(笑)。
ーーそもそも、フィットネスを始めたきっかけは?
最初はYouTube(『道端カレンのフィットネスチャンネル』)の企画で始めたんです。2020年のコロナ禍でトライアスロンの大会がなくなっていて、何か新しいスポーツにチャレンジしたいな、と。
マラソンやトライアスロンといったエンデュランス(持久的)スポーツをやってる人は競技中、脂肪と同時に筋肉も燃やすので、筋肉がどうしてもつきづらいんです。だからよりハードルが高いボディビルディングという分野でコンテストに出てみようと考えたんです。
ーーストイックですね。
それで、2021年6月に投稿した安井さんとの対談動画で、フィットモデルという女性の美を競う新しいカテゴリーを勧められました。
ーーその後、1カ月ほどで「兵庫県フィットモデルオープン大会」163センチ超級2位、同40歳以上の部で4位などの結果を残しました。そしてすぐにビキニフィットネスにカテゴリー転向しています。
ワンピースでの水着審査があるフィットモデルと違って、ビキニフィットネスはその名のとおりビキニ水着での審査。お腹が出る衣装のほうが私の体に合っていると思ったんです。
それにフィジークやボディフィットネスほどではないですが、ビキニはフィットモデルよりも筋肉量が必要なので、その点でも新しい挑戦になるのではないかなって。
ーーそのビキニフィットネスでは、2022年の「宮城県ビキニフィットネスオープン大会」(JBBF主催)158センチ超級の部で優勝、同年の「オールジャパン マスターズ フィットネス・チャンピオンシップ」の女子ビキニフィットネス・40歳以上45歳未満・160センチ超級で4位入賞と好成績を収めました。ところで、今までどおりトライアスロンのトレーニングをしていたら、筋肉がつきづらいのでは?
トライアスリートだった頃は水泳、マラソン、自転車のうち毎日最低2種目、3時間くらいはトレーニングに費やしていましたが、去年9月からは自宅でのロードバイクトレーニングをやめ、今年3月からはスイミングなどの有酸素運動をやめて、フィットネス向けの生活に変えました。
ーー日常に変化は?
フィットネスのトレーニングは週5日で1日1時間から1時間半、隙間を見つけてジムに行けばいいので、じつはめちゃくちゃ時間に余裕ができました(笑)。だから人に勧めるならトライアスロンよりフィットネスですね。もちろんトライアスロンもとても楽しいけど。
ーービキニフィットネスを始めて大変だったことはありますか?
たとえば、トライアスロンなら1キロを泳ぐのに何秒早くなった、とか数字でわかるけど、フィットネスは自分の体がどのくらい仕上がっているかってなかなか目で見てわかりづらい。
一般的には持ち上げられる重量が基準にはなるけど、やっぱりステージ上でウエイトリフティングをするわけではなくて体を見せるので、変化を感じづらくてモチベーションの維持が難しいというのはありました。
ーー太っている人がトレーニングでやせたらわかりやすいし、モチベーションにもなりますが、カレンさんの場合はもともと体が仕上がっていましたよね。
一応、モデルでしたから(笑)。というか、仕上がってはないです! トライアスロンをやっていたから心肺機能が高かっただけですよ。
ーー筋肉も相当ついたので今後、トライアスロンに復帰するのは難しいものですか?
そんなことないですよ。どんなスポーツでも筋肉は正義です。トレーニングすれば心肺機能はすぐに戻る。せっかく筋肉をつけたんだからこれをスポーツに活かしたいです。でも、新しい種目をやるのはめちゃくちゃ大変だから、いつかはトライアスロンに戻りたい気持ちはありますね。(つづく)
後編<道端カレン、44歳「今が人生で一番スタイルがいい」 10代の頃は「無茶なダイエットをたくさんしました」>を読む
写真提供/道端カレン
撮影協力/ゴールドジム
【プロフィール】
道端カレン みちばた・かれん
1979年、アルゼンチン人の父親と日本人の母親の間に生まれる。福井県出身。中学3年の時にモデル発掘を目的とした世界的コンテストの日本代表に選出。卒業後に上京し、モデル活動を本格化させ、その後タレントとしても活躍。20代でふたりの息子を出産。30代前半からトライアスロンを始め、国内大会で総合優勝も。40代で今度はボディメイクをスタートし、2022年の「オールジャパン マスターズ フィットネス・チャンピオンシップ」(JBBF主催)女子ビキニフィットネス・40歳以上45歳未満・160センチ超級で4位入賞。ジェシカ、アンジェリカとともに「道端3姉妹」の長女。