『大戸屋』でやせるには? “神やせダイエット”の石本哲郎が教える『大戸屋』の「若返りやせ」メニュー攻略法
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●外食しながらダイエットもアンチエイジングも叶えたい! そんな我儘な願いを叶えるべく、ボディメイクのプロ・石本哲郎さんが「若返りやせ飯」の選び方を教えてくれる人気連載。今回のテーマは、日本の家庭料理を味わえる人気の和定食チェーン「大戸屋」の攻略法です。
「大戸屋」で食べたい若返りやせNo.1メニューは?
ボディメイクのプロ・石本哲郎さんが若返りやせ効果の高い外食メニューをリサーチ
常時30種類以上の定食を揃える『大戸屋』。メニュー選びに迷う方も多いですよね。そこで今回は、若返りやせという観点から、ベスト3&ワースト3のメニューをご紹介! メニュー選びの参考にしてください。
まずは、おすすめ「ベスト3」。一つ目は「大戸屋ばくだん丼」です。
これを食べにお店に行くほど優秀! 1位は「大戸屋ばくだん丼」
石本氏のイチオシメニュー「大戸屋ばくだん丼」1000円、516kcal
まぐろ、納豆、卵が入り、たんぱく質が27.8gも摂れるうえ、脂質はたったの8.6g。オクラやとろろなどのネバネバ系、海苔やめかぶなどの海藻類も摂れて、カロリーはたったの516kcal。これ1食ですべて揃っちゃうと言っても過言ではないほど、めちゃくちゃ優秀なメニューです!
欲を言えば、良質な脂質だけがちょっと足りない。まぐろの赤身ではなくサバだったら、DHAやEPAなどの良質な脂質がもっと期待できたかも。でも、全体の味のバランスが悪くなっちゃうので、この料理に関していえばやはりサバよりまぐろで正解ですよね。
特筆すべき“若返りやせ食材”は、納豆、卵、オクラの3つ。発酵食品である「納豆」は抗酸化作用が高く、食物繊維も豊富で腸の健康を保つのにも役立ちます。「卵」は食物繊維とビタミンC以外のすべての栄養素が入った準完全栄養食。マルチビタミンミネラルのごとく、栄養バランスの底上げに役立ちます。そして、卵でとれない食物繊維やビタミンCを補えるのが「オクラ」。オクラのネバネバの正体はペクチンなどの水溶性食物繊維で、整腸作用を促し便秘予防にも役立ちます。
ちなみに、とろろやめかぶのネバネバも水溶性食物繊維。納豆、オクラ、とろろ、めかぶなどネバネバ食材がてんこもりの「ばくだん丼」。ダイエットやボディメイクの点においても、若返りやアンチエイジングの点においても、問答無用のNo.1メニューと言えますね。
青魚の健康・美容効果を狙うならコレ!
次いで、第2位は「さばの炭火焼き定食」です。
ビッグサイズのさば半身を使用した「さばの炭火焼き定食」990円
魚に含まれる脂質は、不飽和脂肪酸という脂質がメイン。中でも、さばをはじめとした青魚は、DHAやEPAなどオメガ3系の脂肪酸の含有量が高く、血液をサラサラにするなど血液や血管の健康維持に役立ちます。また、老化の原因となる体内の炎症を防いでくれるなど美容効果も高いため、若返りやせには積極的に摂りたい脂質なんです。
かなり大きなさばを使用しているため、しっかり脂質が摂れますが、それに合わせてたんぱく質も51.5gとしっかり過ぎるほど摂れちゃいます。たんぱく質は1食あたり女性なら20~30g、男性なら30~40gが目安なので、ちょっと多めかな。
でも、普段から青魚を食べてない方はガッツリいっちゃってもいいかも。なぜなら、青魚は週に2~3回摂るだけでも充分、健康効果があると言われており、1度摂取したサバの良い栄養は2~3日持続するから。つまり、月曜に食べたら2~3日空けた木曜か金曜に食べるだけで効果があるということ。ただこの時にちょっとしか食べないのと、しっかり食べるのとでは体内での持続力が異なるので、普段食べてない方はガッツリいっちゃいましょう!
定食の話に戻すと、こちらの「さばの炭火焼き定食」、脂質が多いだけにカロリーも少々高めです。ごはんを白米にすると874kcal。しかし五穀米にするだけで855kcalと若干抑えられ、ビタミンやミネラルも摂取できるのでぜひ、五穀米に変えましょう。
五穀米にすると、栄養価アップでカロリーはダウン
それでもカロリーが気になるという場合、サイドメニューで「ミニさばの炭火焼き」があります。
「ミニさばの炭火焼き」
これがたんぱく質22.5gに脂質16.3gが摂れる、めちゃくちゃ優秀なサイドメニュー! カロリーも254kcalなので、カロリーの低いサイドメニューを1品足して楽しむのもおすすめです。
「青魚は苦手……」という人はこれで代用
第3位は「沖目鯛の醤油こうじ漬け炭火焼き定食」です。
「沖目鯛の醤油こうじ漬け炭火焼き定食」1290円 *五穀ごはんをチョイス
さばなどの青魚が健康的というのは、今やかなり周知の事実。その理由は先述した通り、たんぱく質と良質な脂質が多く含まれているから。ただ、さばが苦手な方も多く、「健康に良いのはわかるけど、イマイチ気が進まない……」なんてことも。
そういう場合は無理に青魚にこだわらなくてもOK! 実は鯛も白身魚なのに、さばと同様に良質な脂質がしっかり含まれているのです。
こちらの定食*はたんぱく質37.5g、脂質16.9gを摂れるうえ、621kcalと「さば定食」より200kcal以上も低カロリー。むくみの原因となる塩分も3.9gで「さば定食」の5.2gに比べてかなり低くなっています。鯛をおいしくいただいて、さらに若々しく健康になっちゃいましょう!
“ワースト3”メニューを発表。“なすと豚肉の組み合わせは危険”と心得よ!
続いて、ワースト3を発表します。一つ目は「茄子と豚肉のコク旨味噌炒め定食」です。
「茄子と豚肉のコク旨味噌炒め定食」。野菜モリモリで良さげだけど……
なすと豚肉の組み合わせってよく見かけますよね。確かに、味の相性が良くておいしいのですが、“ダイエット的には外食でなすと豚肉が入ってるものは基本アウト”と考えてください。
なすのカロリーは低いのですが、おいしく味わうために油を吸わせた調理をすることが多い。だから、めちゃくちゃカロリーが上がってしまうのです。また外食で使われる豚肉は大抵、バラやロース、細切れなど脂質の多い部位。脂質の少ないヒレ肉はコストが高く、おいしく提供するには調理も大変なため、リーズナブルな店ではまず使われません。そのため、外食でなすと豚が入った瞬間、アウトになることがほとんどです。
カロリーは808kcalとそこまで高くないものの、たんぱく質が21.9gに対し、脂質が36.7g。全体のカロリーの約40%も脂質が占めています。実は脂質量だけをみると、ベスト3で挙げた「さばの炭火焼き定食」の36.5gとさほど変わらないし、なんならカロリーはこちらのほうが低い。でも、脂質の中身が全く違うのがポイント!
魚やナッツに含まれるオメガ3系の油は、健康や美容効果の高い良質な脂質。一方、揚げ物や油をたくさん吸った料理にはキャノーラ油などオメガ6系の油で質の悪い脂質が多く入っています。必須脂肪酸ではあるのですが、オメガ6の摂り過ぎはアレルギーなど健康被害をもたらすとも言われているため、今は摂取量を減らそうというのが主流の考え方です。ちなみに、脂質は吸った油だけではなく、お肉自体にも含まれています。そちらも飽和脂肪酸がメインで体にいいとは言えないんですね。
つまり、栄養バランスやカロリーの摂取量が同等でも、その中身を精査することが大切。質の悪い脂質でカロリーを稼いでいる“なすと豚のメニュー”は避けたほうが無難です。
“いいヤツそうで実はワル”? トラップメニューに要注意
続くワースト2は、「鶏と野菜の黒酢あん定食」です。
健康素材の黒酢を使った「鶏と野菜の黒酢あん定食」
こちらは『大戸屋』の人気定番メニュー。鶏肉、野菜、黒酢というワードが並んでいると、めちゃくちゃ体に良さそうなイメージがありますよね。でも、実はあまり良くありません。
たんぱく質が27.9g、脂質35.2gと脂質の割合が高く、普通のごはんだと994kcalと高カロリー。おそらく具材を素揚げして油を吸っちゃっているためでしょう。しかも揚げ油は基本、質の悪い脂質です。
黒酢で健康なイメージや、野菜で低カロリーなイメージを持たれる方も多いかと思いますが、実際は全然ダメというトラップが仕掛けられていることも。栄養バランス的にはもっと悪いメニューもありますが、「良いイメージがある割に実は良くない」というのが決定打となり、ランクインさせていただきました。好きで食べるならいいけど、「体に良さそう」と思って食べに行くのは違うってことを知っておきましょう!
ビッグマック2.5個分!? ぶっちぎりの「ワースト1」メニューとは?
そして、若返りやせに向かないワースト1メニューは「大戸屋風チキン南蛮定食」です。
タルタルソースがたっぷりかかった「大戸屋風チキン南蛮定食」980円
これは、見るからにやばい!(笑) ごはんセットだと、なんと1321kcal。ダイエットで体重を減らしたい時期の女性にとっては、これ1食で1日の摂取量に到達しちゃいそうなレベルですよね。チキン南蛮って、揚げ物に甘辛なソースとタルタルソースをダブルでかけるため、カロリーの上がり方が尋常じゃないんです。
特筆すべきは、脂質が73.4gもある点。それも魚やナッツ類などの良質な脂質ではなく、基本的に悪い脂質で稼ごうとしてます。マクドナルドのビッグマックでも28.2gなので、ビッグマックを2個食べてもまだ足りないくらい。『大戸屋』はヘルシーなイメージが強く、実際にヘルシーなメニューもたくさんありますが、たまにとてつもないものが紛れているので気をつけましょう。
結論
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ヘルシーなイメージ通り、ダイエットやボディメイクに役立つメニューを選びやすい『大戸屋』。しかし、中には“いいヤツそうに見えて悪いやつ”や、“見るからのワル”なメニューも潜んでいます。“何も考えないメニュー選び”を繰り返していると、5年後、10年後に老け感が出ちゃうことも……。カロリーだけじゃなく、その中身を見極めてメニューを選ぶことが大切です。
定食のごはんは、できれば五穀米に。味噌汁の具のわかめは少量でも水溶性食物繊維がちゃんと摂れるので残さず食べましょう。ただ、定食はどうしても塩分が高くなりがち。健康被害やむくみの原因にもなるので、摂り過ぎたと思ったら早めの対処が肝心です。カリウムの多い無調整豆乳やトマトジュースを積極的に摂る(例えばランチで塩分の高いものを食べたらその日の夕方に一つ飲むなど)のもおすすめ! 慢性的なむくみにつながらないためにも、早めのケアを心がけるだけでだいぶ違ってきますよ。
(語り◎石本哲郎、インタビュー・撮影◎酒詰明子)
●プロフィール
石本哲郎
女性専門のパーソナルトレーナー。東京や神奈川にて、女性専門パーソナルジムリメイクや女性専門フィットネスショップリーンメイクを数店舗運営。女性のダイエットに関わる医学、栄養学、トレーニングメソッドについての豊富な知識と、自ら意図的に太ってやせる「減量」実験の成果から編み出した独自のメソッドで、のべ1万人以上の女性の体づくりを指導し、成功へと導く。ダイエットに悩む一般女性の指導をもっとも得意とし、「健康的かつきれいに女性の体を変える技術」には定評がある。代表作『神やせ7日間ダイエット』などを含め著書累計20万部を超える。
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