左が「焼かないカップ焼きそば」、右が「焼いたカップ焼きそば」 | 食楽web

 ご存知の通り、カップ焼きそばといえば、熱湯を注いで3分待って湯切りすれば完成する、簡単・便利な焼きそばです。しかし、いつも食べていて思うのですが、これ“焼きそば”ではなく、本当は“茹でそば”ですよね。焼いてないし。

カップやきそばに必ずあるのが湯切り口

 あえて言うまでもないことですが、フライパンや鉄板でジュージューと焼いて作る、いわゆる本物の“ソース焼きそば”とカップ焼きそばは、完全な別物なわけです。

 とはいえ、焼きの工程を飛ばしているわけなので、もしかしたら、カップ焼きそばを焼いたらもっと美味しくなるのかもしれません。そこで人生で一度くらいはカップ焼きそばを焼いてその味を確かめておきたいと思い、実際に試してみました。

カップ焼きそばを“焼く”とどうなるのか?

「日清焼きそばU.F.O」を焼いてみたバージョン

 今回は、筆者が大好きな「日清焼きそばU.F.O」で試してみました。まずは、いつものように熱湯を注いで3分待ち、湯切りをします。

いつものように熱湯を注いで3分待ちます

 ここまでは普段通りですが、ここから焼きます。まず麺をフライパンに移して炒めていきます。水分がやや飛ぶまで炒めたら、付属のソースを回し入れ、全体に馴染んたらできあがり。

湯切りした後フライパンで麺を炒めます

 今回は、いつもの「U.F.O」と比較するために、いつもどおりに作ったバージョンと、焼いたバージョンの2つを作り、比べてみることにします。

 写真を見れば分かる通り、「焼かずに通常どおりに作ったU.F.O」は麺の色が薄く、フライパンで「焼いたU.F.O」のほうが麺の色が濃いです。焼くことで水分が飛び、ソースが麺に染み込んだ結果ですね。

左が通常どおり作った「焼かないU.F.O」、右がフライパンで「焼いたU.F.O」

 実際に食べてみると、“焼き”バージョンは、ソースが加熱されている分、香ばしさを強く感じます。が、しかし! 肝心のソースの味に異変が起きていました。どこか煮詰まったようなくどい甘辛さが出てきて、味が濃すぎます。

 さらに水分が飛んでいるせいで、麺の食感が非常に悪い。パサついており、箸で持ち上げるとすべての麺が固まって一緒についてきます。唯一、いいところを挙げるとすれば、おこげができてそれが美味しいくらい。

フライパンで「焼いたU.F.O」は、「焼かないU.F.O」よりソースの香りが立っているが、味が濃過ぎる。なおかつ、麺が塊になってパサパサしていて食べづらい

 では、いつものように作った「焼かないU.F.O」はどうかというと、ソースが麺1本1本によく馴染んでいるうえに、味にくどさもなく、甘辛さも過不足なし。しかも、麺がつるんとしていて、口当たりもなめらか。食べやすいし、舌でソースの旨味を感じやすいんです。

まとめ

通常の「U.F.O」は、麺がなめらか、ソースの美味しさを感じやすい

 まとめると、「カップ焼きそばは、絶対に焼かないほうがいい」という至極真っ当な結論に。

 しかし、もしかしたら焼く際にオイルや水を足すなど工夫すれば、美味しくなる可能性はあるかも? と思いました。でも、カロリーはアップするわ、手間はかかるわで、カップ焼きそばをわざわざ焼く必要があるかは疑問です。

(撮影・文◎土原亜子)