ソーラーの力で飛び続ける無人機。

成層圏である約2万mまで上昇し帰還に成功

 最長で1年間飛び続けることが可能だという無人航空機「PHASA-35」が、現地時間の2023年7月14日、成層圏飛行試験に成功したと、同機を開発しているイギリスのBAEシステムズが発表しました。


離陸直前のPHASA-35(画像:BAEシステムズ)。

 実験は先月にアメリカのニューメキシコ州で行ったそうで、PHASA-35は約24時間かけて高度6万6000フィート(約2万m)以上まで上昇。成層圏内における飛行や搭載している太陽電池の性能評価を行った後、降下し、着陸に成功したとのこと。

 PHASA-35は、2018年にBAEシステムズの子会社であるプリズマティックで設計された機体で、天候や従来の航空交通を超えて運用される無人機というコンセプトで、様々なテストが行われています。

 同機は、機体に取り付けられた太陽電池で作りだされた電力でモーターを動かす仕組みになっており、高度1万m以上の高さを最大1年間は飛び続けられる設計になっています。BAEシステムズは同機を長期にわたる諜報、監視、偵察などの軍事目的のほか、従来の航空機や衛星システムの代替として災害救援や国境警備など、幅広い用途に使うことを目指しています。