今度こそ超音速機を購入か?

購入に動いたとしても問題は山積!

 アルゼンチン国防省がインドの国産戦闘機である「テジャス」の購入に向けて動いていることが現地時間の2023年7月18日、インド国内メディアの報道などにより明らかとなりました。


インドの国産戦闘機「テジャス」(画像:インド空軍)。

 アルゼンチンのホルヘ・タイアナ国防相は、18日にインドメディアであるWIONの独占取材に応じ、そこで「テジャス」購入の可能性についてインドと協議していると明かしました。

 タイアナ国防相は18日から4日間の日程でインドに訪問中ですが、20日にはインドの航空機会社であるHAL(ヒンドゥスタン・エアロノーティクス・リミテッド)で「テジャス」を視察する予定となっています。HAL訪問での優先事項は、陸軍向けヘリコプター約20機の購入についての協議と見られていますが、同時に「テジャス」の購入についての話もあると予想されています。既に一部報道では購入機体数は15機、購入金額は10億ドル(約1400億円)になるのではという詳細情報まで出ています。

 アルゼンチンは2015年にフランス製の戦闘機「ミラージュIII」を退役させて以降、超音速戦闘機を持っておらず、一刻も早い音速を超えるジェット戦闘機の獲得が急務となっています。

 しかしフォークランド紛争の影響でイギリスと対立関係が続いており、同国製の軍需部品に関して禁輸措置を受けています。そのため、イギリス製の射出座席を搭載する戦闘機などを購入が不可能の状態になっており、デンマークで退役予定のF-16を求めてアメリカと交渉中でしたが、そちらの機体もウクライナへ送られる可能性があり不透明です。

 実は「テジャス」にも、射出座席を始め、レーダー・レドームや空中給油システムなどにイギリス製の部品などが16点使われており、それを交換する必要はあります。現地の報道によると、インド政府はこの置き換えに意欲を示しているそうですが、まだ試験や認証が必要な状態で、アルゼンチンが同機購入に動いたとしても、置き換えられた「テジャス」供給には数年かかるとみられています。


※一部修正しました(7月21日10時22分)。