なんと「新製の蒸気機関車」も!

KATOの鶴ヶ島新工場にナローの保存機が続々集結へ

 鉄道模型の「KATO」ブランドで知られる関水金属は2023年7月20日、埼玉県鶴ヶ島市に建設する新工場と、敷地内にできるレールパークの概要について発表しました。


新倉庫内で整備中という「オリバー号」。閉園した野辺山SLランドで走っていた(画像:関水金属)。

 同社は関越道 鶴ヶ島JCTの直近に新工場を建設中で、敷地内の緑地と隣接する鶴ヶ丘児童公園を含め「イングリッシュ・ナチュラル・ガーデン」として一体的に再整備する計画。そのガーデンのなかには、軌間762mmと610mmの軌道が敷設された三線軌条(デュアルゲージ)のナローゲージ保存鉄道「KATO Railway Park・関水本線」が誕生する予定です。

 関水本線は1周約620mの非電化単線で、機関庫を併設した駅がひとつ設けられます。また新工場に隣接してナローゲージ展示室が機関庫とは別に設けられ、各地から集められるナローゲージ車両が保存展示されるとのこと。保存車両のラインアップは次の通り。

・元台湾糖業公司のベルギー製蒸気機関車362号機:かつて長野県の野辺山SLランドで動態保存されていたもの。改修を行い「OLIVER (オリバー)」号として再起する。

・元関東特殊製鋼(カントク)の酒井工作所製7トンディーゼル機関車DL3・No.143号機:再整備のうえ新たに「BILLY(ビリー)」号として走る。

・元西武鉄道山口線(初代)の蒸気機関車532号と木造客車34号:機関車はドイツ・コッペル社製。北海道遠軽町の丸瀬布いこいの森で静態保存。

・元西武鉄道山口線(初代)の蓄電池機関車と遊覧客車:通称「おとぎ電車」。関水本線では動態保存車として走らせる予定。

・新製の蒸気機関車「OSCAR(オスカー)」号:羅須地人鉄道協会が製作中。英国の2軸タンク式機関車からインスピレーションを得た車両。

 このうち「オスカー号」については、8月4〜6日に新宿住友ビル三角広場で開催される「鉄道模型コンテスト2023全国大会」で展示される予定だそうです。

 レールパークは2024年度に完成の予定で、一般公開と走行については鶴ヶ島市と関水金属が連携して運営。鶴ヶ丘児童公園のエリアは常時入園可能となるものの、関水本線や機関庫、車両は安全が確保される場合のみ公開されるそうです。

 関水金属は関水本線について「日本で一番新しく、そして懐かしいナローゲージ」としています。