暗い性格はよくないのでしょうか?(写真: Ushico /PIXTA)

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現在就職活動中です。幼い頃から自分の内面について悩んできました。私は物事を悲観的に考えてしまうクセがついており、周りからの反応を深読みしたり、優柔不断で判断力がなく、自意識過剰なところがあります。また、自分にとってマイナスなことを考えることが多く、未来に絶望してしまいます。なんとかこのマインドを前向きに変えたいのですが、長年蓄積されたものでなかなか難しいです。どのような方法で変えるべきでしょうか。

TA 学生

まず「悲観的に考える」、や「自分にとってマイナスなことを考える」という点ですが、これ自体は特段悪いことでも何でもないということを理解しましょう。

楽観的な性格であろうと、悲観的な性格であろうと、それ自体が特段優れているわけでも劣っているわけでもありません。そういった自分の性格や思考を理解したうえで、それに沿った行動をし、その行動の結果が自分にとってプラスになるように持っていけるか否かが、人生における勝負を分ける、というだけです。

自分自身の性格や思考を、勝手にマイナスに捉えたり、他人よりも劣っているというラベルを自分自身に貼らないことが大切です。

そういったマインド自体が、自分自身の「マイナス面だけ」を見てしまう原因となるのです。

ヒトにはよい面、悪い面両方ある


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マイナスや欠点だけのヒトなんていませんし、プラスや利点だけのヒトなんていません。

ヒトはよい面と悪い面、長所と短所それぞれを有しています。プラスや長所の面をどのように生かすか、またはどう短所を補い、人生を歩むのか、ということを考えればよいのです。

さて、冒頭に悲観的な考え方などが特段悪いわけではないと申し上げましたが、これは考え方によっては「慎重」とか、「最悪を想定して行動できる」という資質でもあり、仕事をしたり人生を歩むうえでプラスにもなりうる性格です。決して悪いことだけではありません。

「何事にも楽観的で、つねにプラスしか考えない」というと、一見明るくて人生うまくいってそう、という印象を受けるかもしれませんが、考えようによっては「能天気、無計画、自己分析不足」ということでもあり、すべてがプラスに働くというわけではありません。

むしろいちばんいけないことは、他人よりも劣っている、と勝手に考えてしまい、劣等感を持ってしまったり、自信を失ってしまったり、行動に移せなくなることです。

ですから、まずは自分自身の性格をマイナスに捉えるのではなく、プラスに考えるようにしたほうがよいでしょう。

悲観的ではなく慎重、優柔不断なのではなく熟慮するタイプ、というように、自分自身の捉え方を変えるのです。

そのうえで、例えば「熟慮して行動に移したのだから、うまくいくはずだ」、というようにプラスの方向に持っていけるか否かが求められます。

性格や思考のどの面にスポットライトを当ててみるか、の違いだということです。

自身の持つ性格をポジティブに捉えることで、自分を好きになり、行動に移すことで人生をよりよい方向に持っていくことは十分に可能です。

人生を謳歌しているように見えたり、成功しているように見えるヒトの全員が、楽観的な性格というわけでもありませんし、明るい性格というわけでもありません。

自分の性格のよい面をみてみる

非常に悲観的なヒトもいれば、内向的なヒトもいます。

ようは性格や思考だけで人生の勝負が決まるというわけではない、ということです。

ですから、TAさんはまずはそういった自分自身の性格に対して、ネガティブな側面だけにスポットライトを当てるということをやめて、ポジティブな側面を見るように、評価するようにしてみましょう。

さて、そうはいっても性格を少しは変えていきたい、という話であれば、どうすればよいのでしょうか。

長年変わることのなかった性格や癖、思考を変えるには、長期的な目線で小さな経験の積み重ねをする以外に方法はありません。

そして同時に言えることはある程度の年齢になると、その後に180度性格や思考が変わることはないでしょう。

ただし、しかるべき方向や、自分がよいと思う方向に持っていくこと自体は十分に可能だと思っています。

自分に対して自信が持てなかったり、過度に悲観的になる原因の多くは、成功体験が不足しているというケースです。

TAさんのケースでいうと、まだ学生で社会における経験や知識がないわけですから、「知らないものに対する恐怖」だったり、経験不足がその背景にあるのかもしれません。

人間誰しも見えないものや知らないものに対する恐怖はあるものです。コロナのパンデミックもある意味そうですよね。

初期の段階は、そもそもウイルスって目に見えませんし、未知のウイルスであったがゆえの不安や困惑がありました。その後メカニズムや実態がわかってくるにしたがって、人々はそれに応じた行動を取れるようになってきました。

話を戻しますが、何はともあれTAさんとしても今後、何かに挑戦し、成功するという体験を積み重ねていくことで、いかようにも性格も思考も変えられます。

悲観的だし、優柔不断だから行動しない、ではなく、その前提で行動をすればよいのです。

小さな行動と小さな成功を積み上げる

行動といっても、何も大きな行動や挑戦である必要はありません。人生なんて小さな日常と経験の積み重ねですから、小さな行動と小さな成功を積み上げていけばよいのです。

勇気を持って授業中手を挙げて発言してみる、人前でスピーチしてみる、新しいバイトを始めてみる、世代の違うヒトと友人になってみる、新しい趣味を始めてみる、自分の趣味や得意な分野でSNS配信をしてみる。なんでもよいのです。

やってみて、失敗もあるでしょうし、成功もあるでしょう。

人生は失敗と成功、喜怒哀楽の積み重ねですから、最終的に失敗よりも成功の質が高ければよいのですし、失敗から学んで次の成功につなげていけばよいのです。

そうやって、小さな成功を積み上げていけば、おのずと性格も思考も変わってきますし、何よりも悲観的である自分を受け入れ、好きになることができるようになります。

本連載でも何度も言っていますが、自分の人生においていちばんの応援団は自分自身であるべきなのです。

まずは、自分自身の性格や、思考そのものを過度にネガティブに捉えず、プラスの側面を見る。そのうえで、小さな成功を積み上げるための小さな行動を意識してやってみる。

そういった方法で、どんどん自分自身を理解し、好きになることでより人生は好転するはずです。

そのようなステップでTAさんが今まで以上に自分自身を理解し、好きになり、自分自身の最大の理解者と応援団となり、よりよい人生を歩むであろうことを応援しております。

(安井 元康 : 『非学歴エリート』著者)