2023年4月20日に新型インプレッサ(日本仕様車)の価格が発表され、229万9000円〜と比較的手を出しやすい価格設定も魅力となっている(写真:スバル)

4月20日に価格を発表したスバルの新型「インプレッサ」。通算6代目となるこのモデルは、先代まで存在していた4ドアセダンを廃止し、5ドアハッチバックボディ1本に絞られた。

また先代まではインプレッサの派生車種としてスバル「XV」が存在していたが、グローバルネームの「クロストレック」に改名したうえでインプレッサよりも先(2022年12月発表)に登場したことで、どちらがベースでどちらが派生車種かあやふやになってしまったが、いずれにしても基本的なコンポーネンツを共有する兄弟車であることは変わりない。

今回はそんな新型インプレッサを購入するなら、どんなグレードとどんなオプションがオススメなのか、クルマの特徴と併せてチェックしてみたい。

クロストレックとの違いはどこにある?


インプレッサよりも早く発売されたSUV仕様のクロストレック。こちらの価格は266万2000円からとなっている(写真:スバル)

基本的なボディシェルやパワートレーンを共有するインプレッサとクロストレックだが、前者は一般的なハッチバック車、後者はクロスオーバーSUVとキャラクターが異なっている。


クロストレックのロードクリアランス(写真:スバル)

プレーンな印象のインプレッサに対し、クロストレックはワイルドな樹脂のクラッティングパーツを装着し、ルーフレールのオプション設定がなされるなど、SUV要素が高まっている。最低地上高もクロストレックのほうが高められており、タイヤサイズもクロストレックが大きくなるため、悪路走破性を高めているところも特徴となる。

一方のインプレッサはクロストレックに対して車高が低く、軽快にオンロードを走れる味付けとなっているため、アウトドアレジャーを積極的に楽しみたい人や、降雪地帯などにお住まいのユーザーはクロストレック、オンロードを中心に軽快に走りたいと思う人はインプレッサを選ぶといいだろう。


2.0L直噴エンジン+モーターを組み合わせた新型インプレッサのe-BOXER(写真:スバル)

なお、クロストレックは全車e-BOXER搭載のハイブリッド車のみのラインナップとなるが、インプレッサはエントリーモデルとして純ガソリン車も用意しているため、購入価格を抑えたい人もインプレッサがオススメとなるだろう。

新型インプレッサ、グレードはどれを選ぶ?


新型インプレッサ STグレードの走行イメージ(写真:スバル)

インプレッサのグレード体系は下から「ST(229万9000円)」、「ST-G(278万3000円)」、「ST-H(299万2000円)」の3グレード(すべてFWDの価格)となり、パワートレーンはSTのみ2Lガソリンエンジン、それ以外は2L+モーターのe-BOXERモデルとなる。


新型インプレッサに搭載されているリニアトロニック(写真:スバル)

すべてのグレードで前輪駆動(スバルではFWDと呼称)と4WD(スバルではAWDと呼称)が用意され、トランスミッションは全車リニアトロニックと呼ばれるCVT。FWDとAWDの価格差はグレード問わず22万円となる。


ST-Gグレードのインテリア(写真:スバル)

価格が魅力のSTは、ハイブリッドモデルのST-Gよりも48万4000円も安く、ST-Gで標準となる11.6インチセンターインフォメーションディスプレイや本革巻ステアリング、キーレスアクセス&プッシュスタートをオプションで選択しても23万6500円も安くなる。

ハイブリッドというとガソリンモデルに対して燃費のアドバンテージが大きいイメージがあるが、インプレッサの場合はガソリンモデルが15.8km/Lに対してハイブリッドモデルは19.4km/Lと、他メーカーに比べると燃費性能の差が小さい。

というのもスバルのe-BOXERは、燃費を稼ぐためのハイブリッドというよりは、発進加速やエンジンが低回転時にアクセルを踏み増したときなどにモーターでアシストをし、心地よい走りを味わうためのハイブリッドとなっている。

もともとガソリンモデルも2Lエンジンを搭載しているため、決して非力というワケではないので、購入価格を抑えたいのであれば、ガソリンモデルもアリだろう。もちろんアイサイトコアテクノロジーなどの先進安全装備や運転支援システムはe-BOXERモデルと同じものが標準装備されているので安心だ。


ST-Gグレードのリアビュー(写真:スバル)

一方、e-BOXERモデルのST-GとST-Hの価格差は20万9000円となるが、ST-Hに標準でST-Gでオプションとなっている装備を選び、近しい仕様にすると価格差はおよそ2万円までに縮まる。ST-Hのみ設定されるオプションとして電動サンルーフが存在しているので、これを選びたい人はST-Hを、ST-Hに備わる装備はいらないと考える人はST-Gを狙うのがよさそうである。

メーカーオプションはどれを選ぶ?


11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステムを装備した新型インプレッサのインテリア(写真:スバル)

ガソリンモデルを選んだ場合は縦長の11.6インチセンターインフォメーションディスプレイが備わらず、7インチの小さなインフォメーションディスプレイとDINサイズのオーディオスペースとなってしまう。

オプションで選ぶと24万7500円と比較的高額となってしまうが、本革巻ステアリングとキーレスアクセス&プッシュスタートも同時に装着されるため、あとから社外品のディスプレイオーディオなどを装着するのであれば、純正クオリティのオプションを選んでおいて損はないだろう。

また11.6インチセンターインフォメーションディスプレイはスマホ連携でナビを表示することができるが、車載ナビが必要という人は6万6000円で車載ナビ機能をプラスすることもできる。


デジタルマルチビューモニター(サイドビュー+トップビュー)の表示(写真:スバル)

STとST-Gを選ぶ場合は、より高い安全性をプラスするためにデジタルマルチビューモニターの追加も検討したいところ(ST-Hは標準)。こちらも6万6000円のオプションだが、前後左右のカメラによってさまざまな角度からの映像をディスプレイに表示させることが可能となり、死角を限りなく減らしてくれるもの。これがないがためにこすってしまったりすると、オプション代以上の修理費用が必要になることも少なくないので、選んで損はないハズだ。


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それ以外のオプションは好みで選択して問題ないが、本革シートはe-BOXERモデルのみ、サンルーフはST-Hのみで選択できるものとなっているため、これらを求めるのであればおのずと選ぶグレードが決まってきてしまうので注意したいところ。このようにグレードだけではなく、オプションも含めて自身にベストなモデルを検討しよう。

(小鮒 康一 : フリー(ライ)ター)