四ツ谷と四谷三丁目の間にある隠れ家的鮨店。三栄通りから狭い路地を入るとほどなく現れる一軒家が『後楽寿司 やす秀』だ。

見て美しく食べて美味しい、握りやつまみで、高揚感に包まれる鮨体験を!


独創的な鮨で楽しさを体現する、路地裏に潜む名店

建物の裏手に、まるで個人宅のような表札のみが掲げられている


「中途半端は絶対にしたくない」と豪気に語る二代目・綿貫安秀さんの言葉が店の姿勢を雄弁に物語っている。




綿貫さんが店に入ったのは2011年のこと。

当初は父と握っていたが、2017年、同じ三栄町での移転を機に、屋号に自身の名を付して独立。店主として暖簾を守る。

料理はおまかせ(24,200円〜)より(季節により変動あり)。



L字型カウンターは個々のスペースも広々で、店主との会話も楽しめる


仕入れは、まぐろは豊洲の老舗「樋長」、うには岩手県洋野町の「ウニ牧場」より。

そのほかにも、石川県近江町市場「忠村水産」など、全国の市場や漁港、生産者と取引。


美味しいは、当然。楽しく、そして美しく。昂る鮨に出合える奇跡


「こんな鮨、食べたことがない!」率直な客の感想を聞いて破顔する、店主は根っからのサービスマンだ。

この街で父の代から続く店に入って12年を経てなお落ち着くことなく、もてなす心意気はますます旺盛に。

今夜の白眉は、幻のエビと呼ばれ、東京の高級店ではここでしか出合えない「ガスエビの握り」。プリとろの食感と舌に絡みつく、この甘さが衝撃的。




夏のスペシャリテ「雲丹のリゾット」は、青天井の、コク深い甘さ。




「でっか巻き」はまぐろのさまざまな部位と海ブドウの食感が楽しい。




すべては楽しんでほしいと願う、ホスピタリティが形になった傑作。感激していると店主は「まだまだです」と照れ隠し。

何より、カウンターで語らう時間がこれほど楽しい鮨店もそうはない。



名物の「でっか巻き」をはじめ、独創的な握りや酒肴を用意するのも「とことん楽しんでほしい」というきっぷの良さからで、「つまみと握りを合わせて全部で25品前後です」とのこと。

徹底して客本位を貫いてきたからこそ、今の揺るぎない地位がある。


■店舗概要
店名:後楽寿司 やす秀
住所:新宿区四谷三栄町5-2
TEL:03-3351-3440
営業時間:17:00〜(L.O.21:00)
定休日:日曜、祝日
席数:カウンター8席、個室1(6席)


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