イクイノックスが宝塚記念で新たな歴史をつくるか(撮影:下野雄規)

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 6月25日に阪神競馬場で行われる宝塚記念(3歳上・GI・芝2200m)。今年の春を締めくくる大一番に17頭が出走を予定している。17頭中12頭が関西所属馬で、関東所属馬は5頭が参戦。22年度代表馬のイクイノックス(牡4、美浦・木村哲也厩舎)をはじめ、ジオグリフ(牡4、美浦・木村哲也厩舎)やアスクビクターモア(牡4、美浦・田村康仁厩舎)、ライラック(牝4、美浦・相沢郁厩舎)といった好メンバーが揃った。

 過去30年間のうち関東馬が勝利をおさめたのは5回。99年の覇者グラスワンダーをはじめ、10年のナカヤマフェスタ、昨年のタイトルホルダーなどが該当する。出走馬の成績をみても関東馬は【5-6-4-75】。一方の関西馬は【25-23-26-253】で、栗東所属馬のほうが勝率、複勝率でともに上回る。

 今年出走予定の関東馬のうち、ジオグリフは22年皐月賞を制し、アスクビクターモアは22年菊花賞を勝利した。ライラックも22年エリザベス女王杯で2着とそれぞれGIでも活躍をおさめている。また中山牝馬Sで重賞初制覇をするなど連勝中のスルーセブンシーズ(牝5、美浦・尾関知人厩舎)も気になる存在だ。

 そんな関東馬の筆頭格は今回初めて関西圏でのレースを迎えるイクイノックス。GI・3連勝中と圧倒的な実績を誇る同馬は逆らえないと考える方も多いだろう。

 しかし、グレード制が導入された1984年以降、美浦所属馬で阪神開催の宝塚記念1番人気になった馬はエフフォーリア、ドゥラメンテ、シンボリクリスエス、ニッポーテイオー、クシロキングの5頭。結果は【0-2-0-3】で名馬たちでも春グランプリを制することはできなかった。

 今回イクイノックスは僚馬ジオグリフと共に、6月頭から栗東滞在。輸送を克服し、陣営の懸命な努力で“西高東低"のデータを覆すことができるのか。新たな歴史を刻む走りを期待したい。