サンデー氏の「穴っぽいところで推したい1頭」は…

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 ファン投票で歴代最多の21万6379票を獲得したイクイノックス、阪神大賞典と天皇賞(春)を連勝中のジャスティンパレス、同舞台となる昨年のエリザベス女王杯を制したジェラルディーナらが集結したグランプリ・宝塚記念。

 イクイノックスが人気の中心となりそうだが、プロの予想家はこの一戦をどう見ているか。展開を軸として期待値の高い馬を導き出す気鋭の予想家・サンデー氏に宝塚記念の展望を伺った。

◆GI馬8頭の豪華メンバーも、イクイノックスが断然の主役!

 注目はなんと言ってもロンジンワールドベストレースホースランキングで世界1位の評価を獲得しているイクイノックスの参戦です。昨年の宝塚記念を勝ったタイトルホルダー、ダービー馬ドウデュースが出走しない中でダントツの主役と言えると思います。

 今年初戦のドバイシーマクラシックは衝撃の逃げで圧勝、1頭だけ次元の違う競馬で敵う馬はいないのかと思わせるレースでした。

 それでも3連覇を狙ったゴールドシップ、2冠馬ドゥラメンテ、父キタサンブラックなどの名馬が断然人気で敗れているレースでもあります。穴党の出番も十分あるのではないでしょうか。データとして過去10年で4回行われた稍重の馬場では1番人気が全敗しています。天気予報は要チェックですね。

◆レース展開から見えたGI馬の巻き返し

 イクイノックスを迎え撃つライバルですが、筆頭は2番人気想定のジャスティンパレスです。稍重の天皇賞(春)を完勝して勢い十分、2200mの距離も実績があります。本番のポジショニングもイクイノックスと並ぶか少し前で運ぶ形となりそうですし、スムーズなら2頭の叩き合いが最有力ではないでしょうか。

 そして近年ほとんど馬券内に好走している牝馬勢の筆頭格ジェラルディーナも切れ味とスタミナを兼備しており、阪神2200mはエリザベス女王杯勝ちと同じコースでベストコースです。雨が降るようならさらにチャンスも大きくなると思います。

 この2頭は人気馬なのでこれでは面白くないかと。そこで穴っぽいところで推したい1頭をご紹介させていただきます。

 その名はヴェラアズールです。昨年のジャパンCをイン強襲で差し切り、GI初制覇を果たしました。有馬記念は10着でしたが2,3着馬はその後凡走続き、7,8着馬が天皇賞(春)で1,2着と有馬記念の結果はあまり気にする必要はなさそうです。

 今年の宝塚記念は17頭立て、パンサラッサとタイトルホルダー不在で馬群が固まるレースが想定される中、内回りで直線が短いので各馬はどうしても早めにスパートをかけることになります。ズバリ展開予想からは差し決着になる可能性が高いと見ています。

 ここで台頭するのが持続力のある末脚が武器のヴェラアズールというわけです。差し馬なので直線が長いコースが良いイメージはありますが、ジャパンCの直線でまともに追えたのは250mほど。ムーア騎手だったとはいえあの加速力は強力で、阪神内回り350mの直線でも十分力を発揮できると思います。ジャスティンパレスやイクイノックスの後ろで立ち回れる枠に入ったことで、展開的にも好感が持てます。今年初戦のドバイワールドカップも13着で人気も出なさそうなので期待値も高く、上位に期待していいのではないでしょうか。

◆結論はさらに展開を追及して

 2023年のGIはタイトルホルダー、スキルヴィングなど有力馬の故障が印象に残っています。上半期の締めくくりとして、宝塚記念は全頭が良いパフォーマンスを発揮して無事帰ってくれることを願いたいですね。