中山牝馬Sを制したスルーセブンシーズ(撮影:下野雄規)

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 6月25日に阪神競馬場で行われる宝塚記念(3歳上・GI・芝2200m)。豪華メンバーが集う春の大一番にスルーセブンシーズ(牝5、美浦・尾関知人厩舎)が池添謙一騎手とのコンビで出走を予定している。

 スルーセブンシーズは父ドリームジャーニー、母マイティースルー、母の父クロフネという血統。半姉に19年の紫苑Sを制したパッシングスルー、半兄にダート路線で活躍したシェダルがいる。

 20年9月に中山競馬場の2歳新馬戦でデビュー。上がり最速の末脚で各馬を差し切り白星スタートを飾ると、一戦挟んで翌年3月のミモザ賞で早くも2勝目を挙げる。その後はオークスでGIの舞台も経験し、紫苑Sで2着に入るなど牝馬路線で存在感を発揮。しかし、重賞制覇はならず3歳時を終えた。

 古馬入り後は3勝クラスから再始動。昨年6月には格上挑戦でマーメイドSに出走したが、10着と悔しい結果となる。だが、今年1月の初富士Sで約2年ぶりの勝利をつかむと、勢いそのままに中山牝馬Sを制覇。上がり最速33.8の強靭な決め手を披露して待望の初タイトルを手にした。通算成績は11戦4勝(うち重賞1勝)。

 本馬の馬名には「七つの海を越えて。父名(ドリームジャーニー)、姉名(パッシングスルー)より連想。世界中での活躍を願って」という意味が込められている。現時点で出走はあくまで可能性の一つとしながらも、愛チャンピオンSや凱旋門賞にも登録済み。今回、宝塚記念を制すれば“夢の旅路”への可能性は大きく広がるだろう。

 自慢の末脚でライバルを“華麗に抜き去り”ビッグタイトル獲得へ――。父をグランプリウイナーに導いた池添謙一騎手の助けも借り、まずは父娘制覇だ。