ブライアンセンスに期待したい(撮影:下野雄規)

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 スタートから相当距離の芝コースを走る東京ダートマイル。パワーだけではなくスピードと、確かな末脚が求められる難コースでもある。しかし、過去の優勝馬にはのちの活躍馬がズラリ。ダートの出世レースとしてすっかり定着した1戦で、将来を占う意味でも見逃せない。

 1番人気馬は【2-2-0-6】とやや低調だが、キャリアの浅い馬同士の1戦で、人気を裏切った馬たちを精査すると海外帰り初戦だったり、芝からの路線変更だったり、と同情すべき点があるケースも見受けられる。

 ◎ブライアンセンスは東京マイルの前々走1勝クラス平場戦はハナ差2着で、前走同じく東京マイルの1勝クラス平場戦を楽勝した。前々走でハナ差先着を許したパライバトルマリンは関東オークスを完勝。前走も道中で不利があっても2馬身半差の楽勝。この時マークした1分36秒5は、同じ日の古馬3勝クラス立夏Sと同タイム。重賞級の能力を示している。

 ホッコータルマエ産駒で、母はJRA準オープン級の活躍馬。母の半弟にはインカンテーションがいるなど血統的にもダート適性は高い。

 〇グレートサンドシーは米国2歳トレーニングセールの高額落札馬で、昇竜ステークス優勝馬。この時は逃げた馬、2番手がそれぞれ4着、2着に粘りこむようなレースになったが、大外から矢のように伸びた。

 スタートの芝部分でやや置かれてしまうこと、そしてキックバックを嫌がるようなところが見受けられるのでレース展開に注文がつくタイプかもしれないが、能力は最右翼に近いものがある。

 ▲ペリエールはヒヤシンスS優勝馬で、この時は4着だったグレートサンドシーに0.8秒差をつけている。UAEダービーは4着だったとはいえ、上位を日本馬が独占したレースだっただけに結果的には少々物足りなかった。

 ただし、ヒヤシンスSでの強さは別格。同じ舞台に戻ったここは侮れない1頭だ。

 △ジャスパーバローズはわらび賞優勝馬で、前走の鳳雛Sは前残りとなった流れの中で勝ち馬と並ぶ最速タイの上りタイムで3着。昨年9月にデビューして、今回が11戦目というキャリアの持ち主だが、ここにきて成績が安定してきた。

 芝の新馬戦で逃げているくらいだからスタートの芝に不安はなく、ここもインで脚をためることができれば楽しみな存在だ。

 △ニシノカシミヤは古馬相手の2勝クラスで完璧な勝利を収めている。自分の競馬ができないともろい面もありそうだが、自分の競馬ができれば強い。連勝中の△ヘンリーは距離延長を味方にできそうな雰囲気で、同じく連勝中の△ワールズコライドも侮れない1頭だ。