宝塚記念に出走予定のイクイノックス(写真奥、撮影:井内利彰)

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 6月4日に美浦から栗東へ入厩し、特別登録を済ませている宝塚記念(6月25日・阪神芝2200m)へ向けて調整を続けているイクイノックス(美浦・木村哲也厩舎)。栗東での調整初日だった5日は少し戸惑いを見せるようなこともあったが、1週間以上経った今ではそのような素振りは一切ない。

 今朝14日はレースに向けたCWでの1週前追い切り。C.ルメール騎手が跨り、5時30分の馬場開場を入口直前で待ち構え、正面入口からブレッシングレインとともに一番に入場した。向正面に入ったところで3馬身ほど後ろで前を見る形。CWは自動計測になっているが、自分のストップウォッチでラップを確認しながら動きを見ていた。

 2コーナーを回る時に速くなるだろうなという雰囲気はあったが、6Fから5Fの標識通過が14.3秒(自動計測も同じ)。この数字を見た時点でどんな動きを見せてくれるんだろうと胸が高鳴る。先行馬も絶妙のラップを踏んでいたが、これをきっちり3馬身保ち、後ろからの推進力をしっかりと前で受ける姿勢で走るイクイノックスは現役屈指のバランスで走る馬といってよいだろう。

 だからこそ、どんな速いラップでもスムーズ。だからこそ、前との差を均一に保って走ることができる。最後の直線に向いてからも手応えは楽で、ブレッシングレインは最後に苦しくなり、ゴール前ではイクイノックスが楽々と先着する形でゴールした。

 時計は6F79.3~5F65.0~4F50.8~3F36.8~2F23.4~1F11.6秒。数字としても文句なし。父キタサンブラックが2年続けて勝つことができなかったレースをイクイノックスが制覇するために着々と準備が進んでいるといったところだろう。

(取材・文:井内利彰)