「悪いのは私たち」騒動後、贖罪語った母は別人のように憔悴…“ペロペロ少年”家族に待つ「6700万円損害賠償」の苦難
社会問題となった回転寿司チェーン「スシロー」での“ペロペロ動画事件”から5カ月が経とうとするなか、大きな展開を見せている。スシローの運営会社「あきんどスシロー」が、問題を起こした少年に約6700万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴したことが明らかになったのだ。
今年1月下旬、金髪の少年が醤油ボトルや未使用の湯呑みを舐め回して元の位置に戻すだけでなく、回転レーン上の寿司に唾液を擦りつける様子を収めた動画がネット上で拡散。
こうした事件は他の回転寿司店でも相次ぎ、“食の安全と安心を脅かす迷惑行為”として社会問題に発展した。同社では防止策の対応に追われるだけでなく、スシローを展開する「フード&ライフカンパニーズ」の株価が一時160億円以上も暴落する大打撃を受けた。
そうした状況に、同社は公式サイト上で《今後も絶対にあってはならないと捉えており、刑事・民事の両面から毅然とした対応を行って参ります》と強い姿勢を見せていた。
6月8日に「損害賠償6700万円」を報じた読売新聞電子版によれば、少年を提訴した同社は「影響は深刻で、この問題を放置できない」と訴状で主張。一方、少年側は5月に請求棄却を求め、「反省の日々を送っている」「客の減少は同業他店との競合も考えられる」と反論したという。
■“ペロペロ少年”の母親が語っていた反省の言葉「悪いのは私たちなので」
さかのぼること3月下旬、少年の母親は本誌の直撃に「まだ、すごく反省しております」と少年の様子を語っていた。ネット上では少年に対する過剰な批判を諫める声も少なくなく、そのことについて見解を聞いてみると、「悪いのは私たちなので。それはもう悪いことをした結果なので、それは仕方ないことだと思っています」を申し訳なさそうにしていた。
一方、直撃に応じてくれた母親についても、近隣住民は本誌記者にこう明かしていた。
「お母さんはものすごくきれいな人だったんですが、それがこのひと月ほどで、げっそり痩せてしまって……。顔色も悪いし、やつれて別人のようになってしまって。もう憔悴してきってるのよ」
莫大な損害賠償請求は、憔悴する家族にさらなる追い打ちをかけることになりそうだ。
「気持ちの面では『反省している』とはいえ、全額支払いを命じられる判決が出る可能性は少ないかもしれませんが、損害賠償義務が発生すれば支払い責任を免れることはできないでしょう。仮に自己破産をしたとしても支払い義務が残る可能性は十分にあり、少年とその家族は先の長い人生において何年もかけて返済していかなければならないのです。しかも返済のために働くとしても、雇用してくれる企業を見つけるのも苦労することが予想されます。少年が未成年であれば両親が代わって責任を負うことになるでしょうし、心労を抱えた生活が続くのではないでしょうか」(全国紙記者)
あまりにも大きすぎた迷惑動画の代償。裁判の行方は果たしてーー。