川崎フロンターレのゴラッソの理由 緻密なコンビネーションが蘇ってきた
Question
登里享平が左サイドでボールを持ち込んだあと、川崎はどのように崩したか
Jリーグ第15節、川崎フロンターレ対柏レイソルが行なわれ、ホームの川崎が2−0で勝利。これで川崎は公式戦の連敗を3でストップすることができた。
ホームの川崎が立ち上がりから主導権を握ると、前半21分に柏の立田悠悟がスローインのコントロールをミスしたところを、小林悠が奪って先制点を奪取。その後も川崎が攻勢を強めると、前半アディショナルタイム1分に登里享平が追加点を決め、2点リードで前半を折り返す。
柏は、後半頭からフロート、武藤雄樹を投入して反撃に出るも、川崎はほとんど決定機を作らせなかった。川崎が終始ペースを握り、2点を守りきって2−0の勝利となった。
今回は、川崎の2点目のシーンを取り上げる。
前半アディショナルタイム1分、左サイドタッチライン際に開いた登里が、大島僚太からサイドチェンジのパスを受けると、そのままライン際をドリブルで持ち上がる。
そのタイミングで、ハーフスペースにいたジョアン・シミッチは下がってサポートに入り、宮代大聖は中央へ入っていった。
川崎は、登里が左サイドでボールを持ち込んだあと、どのようにして相手を崩したか
次の場面で、川崎はどのようにして相手を崩したか、というのがQuestionである。
Answer
登里はハーフスペースに入った脇坂泰斗とのワンツーで中へ
この試合の川崎は、前線から中盤の流動的な動きで柏の守備を翻弄。川崎らしいスペースを作る動き、そのスペースをうまく使う動きが噛み合い、見事なコンビネーションで崩した場面である。
登里はハーフスペースに入ってきた脇坂とワンツーしながらカットイン。右足でシュートを決めた
登里が左サイドのオープンスペースで、大島からのサイドチェンジパスを受けるところからこの場面が始まる。ボールを受けた登里がそのまま縦に運ぶと、並走していたシミッチは後方のサポートの位置に動き、やや前方にいた宮代は中央へ斜めに動き、それに柏の立田はついていった。
さらに登里の前進に柏の右サイドバックの川口尚紀が釣り出されると、柏の右ハーフスペースがオープンになった。その瞬間を狙ったのが脇坂泰斗である。
脇坂はハーフスペースが空いた瞬間に素早く動き出して、登里からのパスを呼び込んだ。そして、脇坂自身は柏の高嶺朋樹を引き連れ、宮代はそのままゴール前へ走ることでバイタルエリアが空いた。
脇坂がワンツーでボールを返し、それを登里はワンタッチで空いたバイタルエリアへ運ぶと、ファーサイドへ強力なシュートを叩き込んだ。
宮代のハーフスペースを空け、相手守備ラインを押し下げる動き出し。脇坂の素早く的確なスペースへの進入と、正確な落とし。そして登里の中への進入とシュート精度。川崎の高いクオリティがよどみなく連続したゴラッソだった。