バルセロナのフランク・ライカールト監督は、特定の選手を持ち上げることは決してしない。試合後の記者会見でもまずはメンバー全員の働きを褒めたたえ、チームとしての勝利を強調する。昨夜(9日)行われたホーム初戦、対オサスナ戦での快勝(3−0)後も、「プレーがうまく機能し、成熟したプレーを見せた」とチームを賞賛している。しかし、昨日ばかりはFWサミュエル・エトーの働きぶりに特別コメントせずにはいられなかったようだ。

「サミュエルのメンタリティは、みんなにとってのお手本だ。素晴らしいメンタリティの持ち主だよ。あらゆるプレーにおいて彼の持つ才能を発揮してくれた。彼はゴールと決めるという目標を抱きながら、チームのために貢献するというスタンスで戦っている。それが彼の特徴でもある。今夜の試合は彼がうまく機能した試合だったと言える」。

エトーは、2ゴール1アシストとバルセロナの3得点すべてにからんだだけでなく、前線からオサスナのディフェンスラインにプレッシャーをかけ相手の守備を撹乱、バルセロナのチャンスを作り出していった。ライカールト監督は頼れるエース、エトーの活躍に満足し、賛辞の言葉を送った。

プレシーズン中はゴールから遠ざかりファンをやきもきさせたエトーだが、リーガにしっかりと照準を合わせ、2試合で3ゴールと2年連続の‘ピチーチ(リーガ得点王)’に向けて好スタートを切った。ライカールト監督からの信頼も厚いエトーは自分のために、そして何よりもチームのために今シーズンもゴールを量産していくに違いない。